なぜ　なぜなんでしょう
ボクが一番嫌うもの
見ないよう　会わぬよう　気をつけていたはずなのに

ふと顔を上げたら、ほら
そこには黒い不法侵入者

田舎町のいい思い出が
全て吹き飛んでしまうほど
おどろおどろしく　そして汚らしい
飛び出る中身と新聞紙

確かに聞こえる足音
心的傷害(トラウマ)を残す羽ばたく音
這い上がる恐怖をもう止められはしない

都会に越してから
二度と出逢わぬよう
高層マンション最上階に住んだ
毎日歩けないくらい部屋も綺麗にしたのに

なぜ　なぜなんでしょう
ボクが一番嫌うもの
見ないよう　会わぬよう　気をつけていたはずなのに

“嫌いなヤツほど早く分かる”
そんな言葉がフラッシュバックする

ふと顔を上げたら、ほら
そこには光る招かざる客

きれい好きです
髪の毛は処理しています
排水口は毎日掃除しているんです
コバエ一匹ですら
許せないほどなのに

なぜ　なぜなんでしょう
ボクのどこに落ち度が？
物理的に　絶対に　部屋に入れないはずなのに

“嫌だ怖いよ助けてよ”
腰が抜ける、ほら10秒前だ

あなたの後ろにきっと、ほら
出くわす速い俊足のアレ

人類の天敵
その名は……「　GO　KI　BU　RI　」