赤い服に身を包んだ一人の女が、暗い森の中を歩いていました。女にはかわいい双子がいました。女は、その双子を医者に診てもらおうと隣の村へ行き、そしてその帰り道でした。女はなるべく早く家に着きたいと思っていましたが、なにせ暗い森です、迷わないようにとゆっくりと歩いていました。
「とにかく軽い病気でよかったわ」
双子は病気に罹っていましたが、薬を飲めばすぐに治る病気でした。
緑の服に身を包んだ一人の女が、暗い森の中を歩いていました。女は街へ買い物をしに行き、そしてその帰り道でした。女は街で買ったものを夫に見せようと、少し速く歩いていました。
「いっぱいおいしそうな果物を買っちゃった。ご飯のあとに彼と食べましょう」
家で待つ女の夫が恋しくて、歩く速さを速めました。
そんな二人の女が、三叉路で出会いました。軽く駆けていた緑の服の女が赤い服の女にぶつかってしまうと、その拍子に赤い服の女は倒れてしまいました。すると、タオルケットに包まれてバスケットに入っていた赤い服の女の双子が泣き出してしまいました。緑の服の女が近づいてきて、声をかけました。
「すみません」
「大丈夫です。この子達もきっとすぐに泣きやみます」
「かわいい子達ですね」
「ありがとう」
「私達の子もこんなかわいい子だった…」
「え?」
「抱かせてくれない?きっと私ならすぐに泣きやめさせられるわ」
「大丈夫です、きっとすぐに泣きやみますから……」
「いいから寄越しなさいっていってるのよ」
緑の服の女の声はだんだんと恐ろしいものになっていきました。赤い服の女が緑の服の女を見上げると、その手には小さなナイフが握られていました。緑の服の女が、自らの身を守るために持っていたものでした。しかし緑の服の女はそのナイフを身を守るためにではなく、傷つけるために赤い服の女の腹に突き刺してしまいました。赤い服の女は、痛みに顔をゆがめます。そのそばで緑の服の女が自分の子供たちを抱えようとしています。赤い服の女はさせまいと手を伸ばしますが、その手は届かず、すぐに緑の服の女は走り出しました。緑の服の女の手には二人の赤ん坊が抱えられています。赤い服の女も痛みを耐えながら追いかけます。
【小説】moonlit bear 1【勝手に解釈】
悪ノP様の「moonlit bear」と「置き去り月夜抄」を聴いて、カッとなって書いた。後悔はしていない。
続きます。
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悲しいから歌った。
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おかしいな おかしいな
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全身全霊 全力前進...ストーリーテラー
藤城レイラ
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気付けばいつの間にか
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あと何回 苦しみながら...エンドコンテンツ
LIQ
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