ちらりと後ろを振り返る。
今までに、連れてきた汚れた魂。どれもこれも醜く薄汚れた光を放ち、異様な腐臭を匂わせる。ずるずると「逝きたくない」と地面を這いつくばった跡がありありと残っている。
リンは前を向き、隣を歩むパートナーであるレンの腕にそっと自分の腕を絡める。レンは普段は甘えてこないリンに驚きながらも、その腕を離すことはなかった。
「今日のノルマはー?」
ぎゅぅ、とレンの腕を抱きしめながらリンは甘えたような声で問う。レンはつぃ、と視線を上に向け、「う~ん」と唸り、思い出したようにリンに視線を戻す。
「今日は三人、だったよ。どれもこれも最悪最低の奴ら」
リンは「うぇ」と嫌そうな顔を顰めた。レンはそんなパートナーに苦笑し、揺れる金髪を撫でた。チャリチャリ、と巻きつけた鎖がぶつかりあい、音を放った。
体をお互いぶつけながら地上へ向かう穴へとたどり着く。リンはレンの腕を離し、一歩後ろに下がった。レンがぽん、と穴に落ちていくとリンも続くように穴に落ちた。
ぐるぐると視界が回る。ぎちぎちと縛られるような不快な感覚。視界が黒から白に変わると、目の前は人々が溢れる通りに変わった。
レンが杭を取り出し、ふいに目の前に立つ男の心臓に突き立てた。突き立てられた胸からは血は出なかった。リンが杭を打ち込むように木槌で叩く。深く、杭が沈み込むと男は目を見開き、奇声を発した。胸を抑え、地面に倒れこむ。苦しそうな息遣い。ついには体をビクリ、と動かして終わった。見開いた目はなにも見ていない。だらしなく開いた口からよだれが垂れていた。その男の体から薄汚れた光がふわりと出てきた。レンは素早くその魂に先ほど打ち込んだ杭を男の体から抜き取り魂に打ち付けた。先ほどと同じ要領でリンが木槌で深く打ち込んだ。杭には鎖がつながっていた。その鎖はレンとリンの体に巻きつけられていた。
「嫌だ、逝きたくない、地獄なんか逝くものか!」と、薄汚れた魂が叫ぶがリンとレンは面倒くさそうに魂を振り返った。リンはもう一度木槌を振り上げ、その魂により深く杭を打ち込んだ。
耳を劈く悲鳴が魂から溢れた。リンとレンは魂を引き摺りながら前に進む。
今度は薄暗い裏通りについた。レンが誰かを探すようにきょろきょろと見回し、隅のほうで何かを囲むように立つ男を見つけて杭を取り出した。
男が二人、たっており、真ん中に囲まれるように逃げ場をなくした女性がへたりこんでいた。男達が何を言ってもぴくりとも動かない様子をみると、既に息絶えているようだ。
レンはもう一つ、杭を取り出し、両手に杭を持った。思い切り背中から杭を打ち込む。一言、二言呻いた。がくりと膝から崩れ落ちる。リンは木槌をもう一つ取り出しており、両手で木槌を持ち、それを振り下ろす。深く、体に埋まっていく杭。男たちは重なるように倒れ、びくびくと体を震わせた。動かなくなると二人の男から魂がふわりと飛び出る。既に抜いておいた杭をレンは魂に打ち込む。リンはそれを押し込むように杭を叩く。
杭に繋がれた鎖はリンとレンの体に巻きついている。汚れた魂が三つ、逃げ場をなくし、地面にしがみつくように薄汚れた光を放つ。
リンとレンは動かない女性の体に近づき、魂を取り出し、空に放った。きらきら輝くそれはぐんぐん上へと昇っていった。それを見届けると犯罪者達の魂を引き摺りながら歩いた。
後ろを振り返ると暗闇の中に墓が浮かび上がっていた。
無数の墓の中に、おぞましい扉があった。リンとレンは躊躇いなくそれを開く。
扉の向こうは、まさに地獄。地面は赤く燃え上がり、生える草花は鋭く、黒く輝いている。地面にはなにかを引き摺った跡がくっきりと残っている。リンとレンは迷うことなく歩を進める。繋がれた魂たちは拒むように地面を這い蹲る。ずるずると赤い跡が線となり残っていく。
レンが重たい扉を閉め、リンは魂に刺した杭を引き抜いた。
「「さあ、鬼哭啾啾の扉へ参ろう」」
【自己解釈注意】逃げ場ナシ【送墓唄】
送墓唄の解釈小説です。歌詞よりイメージ重視でかいたので色々違うと思いますが、そこは自己解釈ということで
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凪いだ有害
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万々歳は飲み込んで
ああでもないこうでもない原因推測をぶちまけて
一つ覚えで悪かったね
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煙たい倫理は置いといて
あんなこと そんなこと煩悩妄執もハツラツと
聞きた...インビジブル_歌詞

kemu
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