夕暮に焼け焦げた空蝉が
剥がれ落ちた あの日の
閉じ籠もった 箱庭の中に
真っ赤な花 沢山咲いている
それが自分と 似てると知った
流れ過ぎた 暁の手前で
手を差し出した 赤の他人
「匁でいいかい?」 そう聞いた
最後のきらめきは 瞬きに
夕暮に焼け焦げた空蝉が
剥がれ落ちた あの日の
惨めな自分に話しかける
風と共に頷いた
秋彼岸に咲く 嘆きの形
目を閉じれば 汚く醜い
モノは全て暗闇に消え行く
使い捨ての 五月蝿い蝿たち
啼き囁く ありきたりな言葉
両手を繋ぎ 遊ぶ子たち
「籠女、籠女」 と周り歌う
もう逃(のが)れられないと悟って
飼い馴らされたら進むべき道
壱つだけ示される
裏の世界を歩み続ける
その外れに 寂しげに
秋彼岸に咲く 嘆きの形
「此処は何処」問うてみても
答えは木霊でのみ
夕暮に焼け焦げた空蝉が
剥がれ落ちた あの日の
惨めな自分に話しかける
風と共に頷いた
秋彼岸に咲く 嘆きの形
この外れに 寂しげに
彼岸花の赤 籠目の小鳥
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ypselon
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2012/01/19 16:49:55