※オリジナル亜種の話です。
こんな、雨の日だった。
たまたま通りすぎただけの廃棄場。フェンスの向こう。積み重なったゴミクズの中に、それは眠っていた。
あの有名な歌姫だったはずのそれは、長い間放置されたのかすっかり色褪せてしまっている。その髪の長さくらいしか面影はなかった。
フェンスを乗り越え近づいた。意味などはない。ただ近づけば、それが未完成の状態で廃棄されたのだとわかる。アンドロイドというよりは人形だ。
……その瞳は何色なのだろう。
そんなことを考えて、気がつけば腕を伸ばしていた。抱え上げようとして、意外にも自分より身長のあることに少しいらついた。だからむしろ引きずりながら歩き出す。
研究室に戻って調べてみれば、簡単なウィルスだった。私を壊した奴に比べればなんてことはない。そのウィルスすらも駆除した私はもっと凄いがな!
そんなわけで歌声と知能を復元処理にかけ、通販雑誌で適当に服を見繕う。女の趣味などわからんが、とりあえずヒラヒラしていればいいのか?結局髪の色に合うものを頼んだ。
そして服が届いた数日後、ようやく復元が完了した。やはり新しい機械を揃えんとな……この程度のウィルスにこうも時間がかかるとは……
「……あ……なたは……?」
続。
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