20.
なんということだ。
なんということだ。
なんということだ。
なんということだ。
なんということだなんということだなんということだなんということだなんということだなんということだなんということだ!
大事なことなので何度でも何度でも何度でも言う!
ほんっとぉーに、なんということだ!
一体全体、なにがどういう風になれば、ここまできっちり捕まえ拘束できていた変態がこうも簡単に逃げ出せてしまうと言うのか。
あれだけロープでぐるぐる巻きにしておいて足りなかったというのか。室内のテーブルごとぐるぐる巻きにしておけば良かったのか。それとも気絶させた段階で外に放り出しておけば良かったのか。もしくはいろいろとためらわずに意識のないうちに死刑を執行しておけば良かったのか。
そんな後悔ばかりが頭の中をぐるぐると巡る。
こんなはずではなかった。
少なくとも今回は、きっちりと捕まえることができたのだから、それで全て解決するはずだったのだ。こんなことは断じて許されない。あってはならない事だった。
なんということだ。
この巡音ルカともあろう者が、こんな失態を演じることになろうとは。
こんなはずではなかった。そう考えてしまうのも、致し方なかった状況ではある。奴の脱出方法は余りにも奇想天外過ぎた。だが、そうやって言い訳をして、自らを擁護するのは容易い。けれど、私はわかっていたはずだ。この人類の枠からだいたい外れきっている異次元生命体が相手であっては、ありとあらゆる常識が通用しないということに。そして、それすらも想定の範囲に含めた上で行動に移さねばならなかったのだと。
そう、私はもっと大局を見なければならなかったのだ。一見、敵はあの裸マフラー……もとい、全身ロープマフラー男であるかのように見える。だが、そうではない。真の敵は奴ではないのだ。そもそも、今回のことの黒幕は別にいる。あのロープマフラー男をなんとかしなければならないのはもちろんだが、その黒幕、真の敵をなんとかしないことには一連の事件に関しての解決はありえないのである。真の敵とはいったい誰なのか。そんなことは決まっている。それはもちろん、あの腹立たしい書き手――ゲホゲホガハッ……い、いったいなにをゴホッ……あ、あのいやなんでもありません。ごめんなさいちょっと魔が差しただけなんですごめんなさいごめんなさい。べ、べつにそんな貴方様を馬鹿にしたりとか見下したとかではなく……本当です。信じてください。私は誰よりも貴方様に忠実なしもべでございます。ええ、ええ。もちろんです。貴方様のご指示とあらば、たとえ火の中水の中、どれだけ辱められようと、どんなにいやらしいことであろうとやり遂げて見せます。
「御館様、奴は向こうの方にっ」
そうですね。言葉だけでは伝わりにくいかもしれません。わかりました。では、今この場で服を脱ぎ捨ててご覧に入れましょう。それだけでは……足りませんね。そのまま妖艶なポーズでもとってみせましょうか。卑猥な台詞でもささやきましょうか。話の脈絡がなにもない行動になってしまいますし、周りの皆がどう思うかもわかりませんが、致し方ないでしょう。仮にピアプロから削除されてしまったとしても、貴方様に納得していただくためにはあってしかるべき行為ですから。私としても、それはなんというかものすごく恥ずかしいですが、仕方ありません。
「お嬢様、いかがなされました?」
え? さすがにそこまではおっしゃってはおられないのですか? 私は脱がなくてもよろしいのですか?
そうですか。あ、いえいえ、違います。違いますよ。私は貴方様がそれほどいやらしい人だと言いたかったのではなく、あくまでも私の覚悟はそれほどのものなのだと伝えたかったのです。
「御館様! 早く追いかけねば大変なことに!」
もちろんです。
私は、敬愛する貴方様が実に変態的で実にエロいなどとは毛ほども考えてはおりません。本当です。こんなにも誠実で心優しき貴方様がそのような変態であるわけがないではありませんか。
「お嬢様……? なにやら心ここにあらずといったご様子ですが、……聞こえておられますか?」
いえいえ、そんな、棒読みなどしていませんよ。vocaloidという製品の性質上、私の口調がややフラットに聞こえてしまうだけです。本当に、それだけのことです。なにか他意があってわざと棒読みをするなど、そのような貴方様を侮辱するような行動を、私がするはずないではありませんか。
「御館様! いったいどうしたのでござるか!」
どうしても信じられないというのであれば、やはり脱ぐしか……
そうですか。必要ありませんか。私の体には興味などないとおっしゃるのですね。ですか、貴方様に私の覚悟を知っていただくためにはこれしか――。
「お嬢様、そろそろ本気で追いかけねば、冗談では済まなくなってしまい……ちょっ、ちょっと待ったァ! お嬢様、それは、それだけはなりません! そのようになんの脈絡もなく自らの服に手をかけてはなりません。わたくしや初音嬢ならいざ知らず、お嬢様がそのようなことをなされてはなりません。お嬢様の柔肌は全人類の至宝なのでございます。なんぴとたりとも犯すことのできない聖域なのでございます。女神が泣いて逃げ出すほどの美貌と完璧なスタイルを持ち、なおかつその素晴らしい巨乳までも持ち合わせたお嬢様がそのようなことをしてはなりません! お嬢様がそんなことをしてしまったら世界が崩壊してしまいます! 具体的に言えばピアプロから削除されてしまいます! というか、そもそもその身体を見ていいのはのはわたくしだけです! 他のならず者の目に映すわけには参りません!」
そこで。
グミがまたなにかよくわからないことを言っているなぁとぼんやり考えたところで、そこでようやく私は我に返った。
もう、いったいなにがどうなってそんな状態になったのか、自分でも理解に苦しむ状況になってしまっていたのだが、私はなぜか自分の服を脱ごうとしており(ほとんど下着姿同然になっていた)、それを止めさせようとしていたのか、グミが私を羽交い締めにしていた。
「い、いったいなにが……」
まったく意味がわからない。グミがどうかしたのかと思ったら、どうかしていたのは私の方だった。なにを言っているのかわからないと思うがありのままを話すってそうじゃなくて、なんで私はこんな事を――。
「っ、きゃあぁぁぁっ!」
ハッとした私は慌てて、なぜかはだけてしまっている自分の服をかき抱くようにしてしゃがみこんだ。
「い、いいいいいったいなにが……」
私のそばにしゃがみこんで、グミが私のはだけてしまった上着を――特に着替えてはいないので、ジャージのままだ――整えてくれる。
「見たままを申し上げれば、お嬢様は部屋を飛び出してから、急に立ち止まって書き手と話し込んでしまい――」
「シャラップ!」
シャラップ。
shut up.
それ以上言っちゃいけません。恐ろしいことになります。
こうなった原因を若干ながら思い出し、しかしあまりにも嫌な記憶だったので、私はまた忘れることにした。
恐ろしい。
あの方には決して歯向かってはならない。ダメ、ゼッタイ。
そんなことをしたら、出番が全て消されてしまう。
ああいや本当になんでもありませんから! 出番とかどうとか、もう余計なことなんて言いません絶対に! 脱ぎますから、脱ぎますから許して下さい……。
……。
Japanese Ninja No.1 第20話 ※2次創作
第二十話前半
びっくりしました。
読み返してみると、前半だけではまったく何も話が進んでいませんでした。それどころかまともな描写すら無いですし。
……あ、誤解を招くといけないのですが、私は変態じゃありません。本当です。信じて下さい。
そしてまたも文字数オーバーしてしまったので、第二十話後半は前のバージョンになります。そちらへどうぞ。
……。
そういえば、今度KAITO V3が出るそうですね。なにやら英語もしゃべれるとか。……英語ペラペラなカイトって想像できない。誰だそれは(苦笑)
それではまた。
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mothy_悪ノP
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