森にひっそりと聳え立つ楓の樹
彼女は絶えず一人孤独
誰も来ることのないその場所で
もう少なくなった葉を揺らす
ひらりひらりと
舞い落ちる
紅葉は何を見つづける?
ひらりひらりと
舞い落ちる
紅葉は何を想うのか
あるとき迷い来た一人の青年
彼は驚き微笑んだ
誰も来なかったその場所は
彼の優しさで満たされる
それからひとめぐりふためぐり
青年は彼女の許へと訪れた
いつもの微笑みを彼女に添えて
木の葉が彩るのは紅い恋色
ひらりひらりと
舞い揺れる
紅葉は秋を酔い踊る
ひらりひらりと
舞い揺れる
紅葉は詩を詠いだす
しかし彼はいつしか来ずに
彼女は永く待ち続け
そして訪れたのは彼の縁
そっと伝えたのは彼の最期
はらりはらりと
舞い落ちる
紅葉は哀しみに明け暮れる
はらりはらりと
舞い落ちる
紅葉はまるで涙のように
彼女は溢れる想いをのせて
紅葉と共に舞い続ける
喜び 愁い 彼女のすべて
彼の許へと届くように
その時期(とき)その樹は森一番の紅色を彩り
それから葉をつけることは二度となかった
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