君の頬に手を伸ばした
冷たい涙を拭った
君のために声を出した
「僕はわかってるからね」と
君にはそんな涙より
笑顔の方が似合うから
雨に当たってなんかいないで
さあ 僕が手を引くから
光の下に出ておいで
君はもう泣かなくていいよ
君の心の臓に触れたくて
手を伸ばしていた
ねえ、君が見るべきは
暗く古い世界なんかじゃなくて
君のことを深く思うこの僕の方だろ
そう 君が縋るべきは
細く弱い“希望”なんかじゃなくて
そんな君をダメにする
傷つけ殺す刃なんて捨てちまえよ
君の腕に手を伸ばした
新しい傷を覆った
君は脆い声を出した
「君はわかってなんかない」と
「残されたのは涙だけ
笑い方なんて忘れた
雨は涙を流してくれる」
なぜ、僕の手を振り払う
「光が身を焦がしてる
私がまだ泣くことを許して」
君の真の髄に触れたくって
手を伸ばしていた
でも僕が見ていたのは
君の本当の心なんかじゃなくて
扉の上に掲げられた“本心の間”だけで
そう 僕が触れていたのは
君の本当の心なんかじゃなくて
それを守るための
冷たく重い鋼鉄の扉だった
僕が扉を叩く音を
君がどんな思いで聞いていたかなんて
これっぽっちも考えていなかった
“自分だったら”に捕らわれていた
ねえ、君は、どうしてほしい?
君の真の髄に触れたくって
手を伸ばしていた
でも僕がしていたのは
君を癒し支えることなんかじゃなくて
君の大切な心を抉っていただけで
でも僕はこれから先は
君が本当の心を見せてくれた時
それを守るために
君と僕で大切にしたいんだ
君の頬に手を伸ばした
温かい涙をなぞった
君のために声を出した
「君は泣いていいんだよ」と
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