雪洞 2018/8
石段に腰掛けて ぽつり
逆光に揺らぐ影
上の空で眺める
思い出は蝶のように舞って
スクリーンの向こう側へ
紅く染まる道 霞む
逸れぬように 手を繋いで
同じ歩幅で歩いた
雪洞続く小道がゆれる
行先はだんだんと夜にとける
交わる足音がひびく
永い永い夢をみてた
失ったと感じて ひとり
水中泳ぐ魚
聴こえない世界 浮かぶ
鮮やかな花が咲き誇って
陽気な太鼓が鳴る
まるであの日の ように
先にあなた 立ち止まって
同じ空を見上げた
淋しくなったこころは きっと
いままでの道程を 振り返ったから
あなたといた日々が好きだった
私達は幸せだった
雪洞つづく 小道がゆれる
行先は思い出を 遠ざけてゆく
忘れなければ いいの いまでも
永い永い夢をみてる
雪洞つづく小道を ひとり
通り過ぎながら耳をすます
私達は幸せだった
私は幸せだった
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