『ぐりこ』 その4
7
結論から言うと、センパイと並んで観た映画は詐欺以外のナニモノでもなかった。
いや、内容自体は結構おもしろかった。ただのアクションかと思いきや、登場人物同士の掛け合いも面白かったし、伏線の張り方もその絶妙な回収の仕方も、とってもハラハラできた。大量消費の享楽にふける現代人への警鐘、みたいなメッセージ性もよく出ていて、一貫したテーマが徹っていてなかなかアタリだったと思う。
でも、だ。
それなのに、だ!
なんでなんでなんで…どうしてロマンスなシーンがひとつも、ひとっっ………っっつも見当たらないのよぉぉぉ!
…と。それだけ、私が言いたいのは。
ベ、別に手を握ってもらえなかったからって、哀しくなんかないんだからねッ! …くすん。
あ、余談だけどおなかのほうは、乙女の意地で映画の幕まで持ちこたえましたとさ。
8
映画を観終わったあと、近くのたこ焼き屋さんで昼食。
センパイが、まだおなかの調子が悪い私に気を遣って、量が少なくてたべやすいもの、ということでこのあたりで評判のたこ焼き屋に連れてきてくれたのだ。センパイも私もたこ焼き大好きだったことだし。
店員さんに、青ノリはかけないで下さい、とさりげなく頼めるセンパイの優しさと男気にも軽く感動してみたり。たこ焼きは好きだけど、デート中に歯に青ノリつけたくないな、とも思っていたから。
店先のベンチでたこ焼きをつついて、食べ終わったパックをお店で回収してもらい、それから近くの公園に向けて席を立った。
まだ調子の悪い私がゆっくり座っていられる場所に行こう、ということでセンパイが提案してくれたのだ。
さすがに人気店のベンチを占領して、食べ終わったあとも居座り続けるわけにはいかなかったから。加えて、どこのお店も冷房が入っていることは容易に予想できるから、そうなればかえって腹を冷やしてしまいそうだし、今日は天気も曇りがちで、外にいても涼しかったということもある。
そんなこんなで公園に向かって歩き出す私たち。
空は曇天、天気予報では今日一日ずっと曇り空、降水確率は20%だったはずだけど、なんとなく心配になってくる私。きっと調子が戻らなくて精神もその影響を受けているだけなんだ、と考えてみるけれど、一度、降ったらやだな、と思いはじめると少し落ち着かなくなる。
センパイだって、
「心配すんなって、降りゃしねーよ。降ってもパラつくくらいだろ。…それより腹の調子どうだ? どっか薬局にでも寄って薬買うとかするか?」
なんて心配してくれる。それに苦笑しつつ首を横に振って、でもやっぱり落ち着かなくて。
…そして、悪い予感ほど当たるもので。
>>>『ぐりこ』その5(完結) へと続く
『ぐりこ』 その4
ニコニコ動画に投稿した同名の楽曲のイメージ小説です。
・楽曲はこちら→http://www.nicovideo.jp/watch/nm13594425
・歌詞はこちら→http://piapro.jp/content/aczpze6xpqjcs85r
私→ミク
センパイ→KAITO
あたりで置換して頂けると、ピアプロの投稿規約的に健康な作品として成立できるので、よろしくお願いしますw
続きを読んで頂ける場合は次の作品に進んでください。
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