透明人間
何れ僕の爪先は温度を宿さず、
枝垂れ桜の道へ影を落とせなくなるだろう。
其れでも軽やかな足取り。
爪先で軽く跳躍してみるよ。
何時か君も僕の髪の色すら忘れ、
夏の舗装された道路を駆け抜けていくのだろう。
其れでも見詰めていて良いかな?
きっと見放しはしないさ。
指先から透けてってさぁ、
きっともうすぐ透明人間だ。
君が僕を見失ったって構わないよ。
僕が君を見失わないさ。
何もかもが君を狙う敵の様に見え、
紅葉の赤さが気に食わない日も有るだろう。
其れでも忘れないで欲しいんだ。
君の隣の透明人間。
何処にも僕の姿が落ちていなくても、
降りしきる雪の冷たさに涙を落とさない様にね。
其れでも笑っていて欲しいんだ。
君の頬を拭う透明な温度は伝わる?
指先から冷たくなってってさぁ、
僕はもうすぐ透明人間だ。
どうか泣かないで可愛い君よ。
僕は何処にも行かないから。
君が此の恥ずかしい唄を聴く頃にはさ、
僕を思い出して泣かないで、居て。
冷え切った部屋の真ん中にさ、
君を遺していく僕を許してよ。
10/08/18
コメント0
関連する動画0
ご意見・ご感想