スコープはある一点を差していた。入口には警備スタッフの姿が見える。

「お、来た来た。久し振りだね。」
「白兎さん!」
「上で待ってる、行ってやって。」
「はい…。」

入口で止められていて展望台の中は人気が無かった。非常灯を頼りに階段を昇る。冷たい風がさあっと吹いて、月を覆った雲が流れた。青白い月明かりの中、静かな沈黙。

「お疲れ様。」
「うん…。」
「もうすぐここにプレイヤーの皆が揃いますので、その前にメッセージをどうぞ。」

『おお、トリは花壇か?』
『あ!ウサギマスク取ってる!暗くて見えないけど…w』
『地味に花壇も可愛いと思うんだ。』
『地味だけどな…うん…。』
『貴女に会えた事を私は嬉しいと思っています ハレルヤ』
『一回戦、マジゴメン!ww クラム』
『実は一番昼ドラだったよね?!(>∀<) バタフライ♪』
『野菜ちゃんと食べてる? チコリ』
『今度チョコパフェ一緒に食べようね! 鳳仙花』
『エンディングコンプリート記念!(`・∀・)b シャルロット』

「あはっ…皆まで…。」
「では問題です。チューリップの花言葉は?」

顔を上げるとほんの少し意地悪そうに鳴兎が笑った。

「…愛の告白…。」
「正解。」
「ひゃっ?!」

急に手を取られて引き寄せられたかと思うと、鳴兎は何かを踏み壊した。

「え?ちょっと大丈夫なの?!これ何?!」
「集音マイク。」
「壊しちゃダメじゃないの?!もう、何やって…!」
「聞かれんのヤダったから壊した。」
「そんな子供じゃないんだから…、聞かれるの嫌とか何言うつもりで…!」
「告白。」
「へっ?!あの…鳴兎…いきなりそんな…か、カメラとか廻ってるし…!マイク
 無くても映像は映って…!」
「うるさい黙れ。」
「鳴…!」

かなり強引なキスと同時に、鳴兎は側にあったスイッチをちょっと乱暴に押した。鐘の音と共にライトが点いて歓声が上がった。凄く綺麗な夜景…なんだろうけど…!

「んっ…!ねぇ…外…見ない…の…?」
「もーちょっと…。」
「でも、皆来る…ん…!」

見えないや…。まぁ…いっか…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-135.チューリップ-

今だ火を点けろ

閲覧数:198

投稿日:2010/09/23 23:45:14

文字数:882文字

カテゴリ:小説

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  • 0-ko

    0-ko

    ご意見・ご感想

    きゃーーー!(≧∀≦*)
    鳴兎さんが可愛い…ッ

    2010/09/23 23:58:11

    • 安酉鵺

      安酉鵺

      >0-koさん
      映像は全国配信です!(〇∀〇)

      >水影さん
      いらっしゃいませ?wよりによってこんな場面でスイマセンw

      2010/09/24 14:43:39

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