今宵、満ちた月の中 私を呼ぶ声がする
この誘いは危険だと 警鐘を促しても

言うことを聞かない 身体
甘く囁く声を 追って
駆ける足を  加速させる 
やがて 川の辺で止まる

月明かりが 全てを照らす 
光る水面 見てはならない

私を呼び込む 者の影が映る
逃げる術など 非力な私に無い


今宵、暗い森の中   私の知る声がする
この出会いは好機だと 早鐘を打つ鼓動

今夜 きっと 山と谷が
月を見つめ 向かい合う
私はそれを 歌えはしない
今や 吼える事しかできぬ

頼み事がある  私は死出の
旅に出たと  あの子に伝えて

私を飲み込む 獣の影が迫る
逃れることなど できるはずが無い

月が沈めば 俺が現れるだろう
さようなら 私は 消えてしまうでしょう

虎の咆哮が 月へと奔る





▼平仮名歌詞▼


こよい、みちたつきのなか わたしをよぶこえがする
このさそいはきけんだと けいしょうをうながしても

いうこ とをき  かない  からだ
あまく ささやく こえを  おって
かける あしを  かそく  させる
やがて かわの  ほとりで とまる

つきあかりが すべてをてらす
ひかるみなも みてはならない

わたしを よびこむ もののかげがうつる
にげる すべなど ひりきなわたしにない


こよい、くらいもりのなか わたしのしるこえがする
このであいはこうきだと はやがねをうつこどう

こんや  きっと やまと  たにが
つきを  みつめ むかい  あう
わたしは それを うたえは しない
いまや  ほえる ことしか できぬ

たのみごとがある わたしはしでの
たびにでたと あのこにつたえて

わたしを のみこむ けもののかげがせまる
のがれる ことなど できるはずがない

つきが しずめば おれがあらわれるだろう
さようなら わたしは きえてしまうでしょう

おれのほうこうが つきへとはしる



ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ヒカギュール

パヤたん@脱力Pさんの歌詞募集に応募させていただきました
http://piapro.jp/content/a5hz402b14x26xwh


曲を聞いたときに、ふと山月記を思い出したのですよ。
歌詞のイメージは本当にまんま、人虎伝・山月記です。
時が経つにつれて歌を与えられなくなったレンが、とうとう発狂してしまう
声の呼ばれる方に駆けていくと、水面に映った虎と化していく自分
徐々に俺が私を侵食して、私だった記憶が薄れ始める
私が本物なのか俺が本物なのか、区別がつかなくなり始めたころ知り合いに会う(リン以外かな
その頃にはボカロに戻ることは不可能でないかと感付いており、私が亡くなる事を察する
私は、その為にいくら美しいものを見て感動してもそれを伝える術(歌)を失ってしまった
すなわち元来のVOCALOIDの意味を無くしたのでその意味で死んでしまったも同じだろう
そして近く、私も消えてレンは俺になっていく どうか俺に二度と会わないでくれ…という感じです。
私=VOCALOIDのレン、俺=虎のレンです。

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投稿日:2009/10/03 00:00:18

文字数:823文字

カテゴリ:歌詞

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