【1】
[A]
君からあがった小さな声
初めて聞こえて震えた
刹那、個性の強さに
普段の陰の薄さが映る
自他に興味がないようで
気遣わずにはいられない
結果締まる首に
影も濃くなるばかり
[B]
君はどちらかというと放浪者だ
旅人のような憧れがないから
[S]
放浪者の思いつきを
逃す手はないと夢中だった
傍観者としての目を
あらん限りに発揮する筆
【2】
[A]
波打つ兆しのない心
自己申告で認知する
影を落とす激情
血の滲んだ拳
自他に興味がないようで
気遣わずにはいられない
結果締まる口に
陰も薄くなるばかり
[B]
君はどちらかというと放浪者だ
旅人のような信念がないから
[S]
僕には君が分からない
分からないことが珍しい
珍しいことばかりで
単純に興味を引いた
[C]
永住のない君を
どうすれば引き留められるだろう
気付けばそんなことを考えていて
[S]
僕には君が分からない
分からないことが珍しい
珍しいことばかりで
単純に興味を引いた
僕には君が分からない
分からないことが面白い
思いがけない視点に
単純に興味を引いた
そんな過去だけが流れる
君のもういない跡地
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