「…! ……、…きー! まっきー!! ねえ!! まっきーってば!」
「…ん?」
「もう…、話聞いてたの?」
「…ごめん」
「まっきー、最近なんか変だよ」
ずもが僕の肩をゆする。どうやら居眠りしていたらしい。
最近、すごく眠い。もう少しで春だからかもしれないが、外はまだ雪がちらついている。
で、こういう眠たいときにずもが話しかけてきて、居眠りしてずもの機嫌が悪くなる。これがもう5回目。決してわざとじゃない。ずもの前で僕がそんなことするわけがない。
だけど。
「むぅー…」
「本当ごめん!」
こうやって、僕はずもの機嫌を損ねてしまって、しばらく話を聞いてくれなくなる。(とはいえ、ずもの機嫌が直ったらまた今まで通りなんだが)
「ちゃんとずもさんの話聞いてる?」
「うー…聞く気持ちはあるんだ。ただ…」
「ただ?」
何を言うか一瞬躊躇う。ずもの機嫌を取るか、素直に言うか。
…どっちも言おうか。
「ずもの声が可愛すぎて眠くなるんだ…」
「…何それ。フフッ」
ふわりと笑うずも。つられて僕も笑う。ニカッとしたときに見える歯が好きで、仕事がないこののんびりした時間も好きだ。
「そうだ、ずも」
「ん?なぁに?」
「一緒にお昼寝しようよ」
僕が眠いなら、君と一緒に寝ればいい。
「えー…まっきーと寝るの嫌だ。むぎゅむぎゅしてくるもん」
「むぎゅむぎゅしてもいいじゃん。ずも可愛いんだもん」
「だーめっ!むぎゅむぎゅしないなら一緒に寝てあげる」
「分かった。じゃあ、行こう」
「う、うん…」
ずもの小さな手を握り、部屋に向かう。
この幸せな時間が続きますように。そう願いながら寝よう。
END
甘甘な感じがひとかけらもない小説ですが、読んでいただきありがとうございましたorz
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