針金吊し無精卵
真綿で包んで揺さぶった
月光浴の十日目に
ようやく返事も聞こえ出す

昨日の夜は夢を見て
さぞかし幸せだったろう
そろそろ目覚めの頃合い
その眼を光に晒すなら

この指の隙間から
世界を覗くといい

僕のためだけに羽化する
生きた翼の天使
蒼い卵の殻を割って
君は零れ落ちる

オリーブの種一口に
真白な腹へと押し込んで
幸福の実も人肌の
温もりで苗になるだろう

澄みきった水底で
眩暈に喘ぐ魚

君は十二時に羽化する
無垢な涙の膜と
長い祈りの糸を切って
僕へ零れ落ちる

十の蝋燭に火をつけて
一思いに揉み消した

僕のためだけに羽化する
生きた翼の天使
蒼い卵の殻を割って
君は零れ落ちる
灰の寝台で目覚める
生きた形の祈り
濡れた瞼に愛を塗って
君は生まれ落ちる

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

エンゼルキット


うすら気色悪い感じを追求したけどいつもと大差なかった。

包(くる)んで
真白(ましろ)
十(とお)

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投稿日:2011/05/30 03:45:58

文字数:345文字

カテゴリ:歌詞

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