僕らが生まれるずっと前。
人間は、自分たちの持つ知識、技術、あらゆる物を駆使して、それはそれは豊かな生活を送っていた。
しまいには、それまで人間がしていた仕事を、機械がほとんど全て代わりにしてくれるようになったという。
そこで止めておけば良かったのに、人間は、自分たちの力をさらに高めようと、欲の赴くままに、機械の改良を進めた。
その1つが、"心"。
作り物である機械に"心"を宿らせ、それを可能にした技術の偉大さを知らしめようとしたのだ。
当然、そう簡単に"心"を作れるはずもなかった。
だが…嬉しい、悲しい、そんな感情が理解できなくとも、ある程度自分で物事を判断できるような、そんな機械は作る事ができた。
プログラムに何もかも指示されていなくても、だ。
最初、この機械を作り出した人間たちは、さぞかし喜んだだろう。
不完全ではあるが、自分のプログラムの枠を乗り越える事ができる機械が、目の前にあったのだから。
この調子ならば、いつか"心"を作る事も夢ではない。
そう思った人間は、その機械を作り続けた。
様々な形をした機械たちは、次々と世に送り出され、そして、様々な人間を目にするうちに…1つの判断を下した。
『ニンゲンは、あまりに傲慢で、愚かで、そして何より、弱い』
『そのようなニンゲンが支配するこの世界。この世界は、正しい方向へ導かれているのだろうか』
『否』
その瞬間に、不完全な"心"を持つ機械たちは、一斉に、人間たちを潰しにかかった。
慌てたのは人間だ。
プログラムに左右されぬ機械たちは、もはや人間の命令では止められない。
強制的に機械たちを排除するため、戦える者たちを集め、そして、急いで非戦闘員をいくつかの都市へ移動させると、その街を高い壁でぐるりと囲んだ。
機械たちも、壁の内側に閉じこもっている間は、何かを支配できるだけの度胸がない、したがって安全だと判断したのだろうか。
常に見張りを置いてはいても、壁の中の人間を傷付けはしなかった。
その代わり、一歩でも壁の外へ出ようものなら、即座に攻撃され、命を落とす事になる。
壁の内と外が完全に隔たれた物となるまで、そんなに長い時間はかからなかった。
外界から切り離されたその街を、人々は箱庭と呼んでいる。
ここは、いくつもある箱庭の1つ。
軍による支援物資と、僅かな作物で、なんとか生きていける程度…。
どこの箱庭もそうだが、ここもそんな状況であり、すごく速いペースで、人口が減っている。
危険を冒して、地下から物資を届けてくれる軍に文句を言うつもりはさらさらないが、それが事実だ。
そんな、人がいなくなりかけた箱庭で僕は生まれ、育った。
『外では人は生きてはいけない』
他の子供たちと同じように、大人に言われ続けて、それを愚直に信じたまま。
~箱庭にて~
序章
【勝手に解釈】箱庭にて 序章
予告通り、新作ですこんにちは。桜宮です。
今回も曲解釈小説になります。
題材にさせていただいた曲はこちらです。
「オールドラジオ」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3349197
また青いのかよ!と思った方、ごめんなさい。
好きなんです、青いの。ちゃんと他の人たちも出てくる予定ですので(汗
初めて曲を聴いて、ラジオのノイズ音のカッコよさに感動してから、いつか書きたいと思い続けてたので、私もワクワクドキドキメラメラ(?)しております←
ですが、オールドラジオ自体、1つの物語になっているような曲なので、解釈と言うより捏造と言った方が近いような(滝汗
今回は世界観の解説的な何か…みたいな感じです←
うららさんとぴーひゃらPに全力で土下座しつつ、頑張って続きを書いていきます。
よろしければ、お付き合い下さいませ。。。
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