【S0】
絶え間ない時間は巻き戻せなくて
何かが始まる度
運命づけられた終焉(おわり)の音が
耳の奥を掠るけど

少し少しずつ
時が零れ落ちて(い)くのなら
今は少しだけ
そっと瞳を開いて

【A1】
散り始めた向日葵の花
茜色が沈む公園の帰り道

【B1】
まだ　遊び足りない私を
まだ　幼いままで居させて

【S1】
切なさがこの胸を締め付けていく
何かが終わる度に
大切なカケラを失くしたような
空虚に飲み込まれて(い)く

少し少しずつ
時が癒してくれるけれど
今は少しだけ
何処か遠くに居たくて

～間奏～

【A2】
午前0時を告げる鐘の音
あの映画の妙に長いエンドロールも

【B2】
まだ　眠りたくない私は
まだ　受け入れたくもないから

【S2】
寂しさがこの身を擽り始める
何かが終わる前に
今日というこの日にしがみ付いても
優しく引き剥がされて

少し少しずつ
時が　諦めを諭すけど
今は少しだけ
どうか　このまま居させて

【C】
何時かこの命にも終焉（おわり）が来ると
誰もが知って　それでも現在(いま)を重ねて

【S3】
散りゆく花も　茜色の夕暮れも
最期の夏休みも
鳴り止まぬ鐘も　終わらぬ映画も
何時かの夜更かしさえも

一つ一つずつ
零れ落ちてく時間の中
今は一つだけ
そっと　深く眠らせて

――――――――――――――――――――――
以下、平仮名。（内は１音で２文字です）

【S0】
たえまないじかんはまきもどせなくて
なにかがはじまるたび
うんめいづけられたおわりのおとが
みみのおくをかするけど

すこしすこしずつ
ときが　こぼれおちてくのなら
いまわすこしだけ
そおと　ひとみをひらいて

【A1】
ちり　はじめた　ひまわりのはな
あか　ねいろが　しずむこおえんのかえりみち

【B1】
まだ　あそびたりないわたしを
まだ　おさないままでいさせて

【S1】
せつなさがこのむねをしめつけていく
なにかがおわるたびに
たいせつなかけらをなくしたよおな
くう(きょ)にのみこまれてく

すこしすこしずつ
ときが　いやしてくれるけれど
いまわすこしだけ
どこか　とおくにいたくて

～間奏～

【A2】
ご(ぜん)　れえじを　つげるかねのね
あの　えいがの　みょおにながいえんどろおるも

【B2】
まだ　ねむりたくないわたしわ
まだ　うけいれたくもないから

【S2】
さみしさがこのみをくすぐりはじめる
なにかがおわるまえに
(きょ)おというこのひにしがみついても
やさしくひきはがされて

すこしすこしずつ
ときが　あきらめをさとすけど
いまわすこしだけ
どおか　このままいさせて

【C】
いつか　このいのちにも　おわりがくると
だれもが　しいて　それでもいまをかさねて

【S3】
ちりゆくはなもあかねいろの(ゆう)ぐれも
さいごのなつやすみも
なりやまぬかねもおわらぬえいがも
いつかのよふかしさえも

ひとつひとつずつ
こぼれおちてくじかんのなか
いまわひとつだけ
そおと　ふかくねむらせて