「グミはいるか」
神威がくぽはクラスに着くやいなやグミの名前を呼んだ。他のクラスメートの視線が痛いがこの際神威にはどうでもよく、なんでこんなことを言うのか、話を聞きたかっただけだった。
「あら、来たね」
「ちょっと来い」
「私もあなたを呼びたかったところ」
神威は周囲の目線を気にすることもなく、グミと一緒に走っていった。
≪魔女と学校七不思議Ⅱ≫
「……で、お前箱庭使者だろ?」
「おお、わかってたのね」
神威の言葉を聞いてグミはわざとらしく驚いた。それに神威はひとつ舌打ちして――話を続けた。
「お前がいるということは改変されたものの、カミサマってのは消えてないってことか?」
「私もそうと思いたいんだけどね」
「……どういうことだ?」
「あなたが――何をしたか解る?」
「なんとなく。リセットをしたんだろう。あの世界もろとも」
「残念。実際は違う。実際は『世界すべてを作り替えた』ことに過ぎない」
「……どういうことだ?」
「世界五分前仮説はご存知?」
「……昔にも誰かに言った気がする。この世界が、五分前に出来たことは証明することができないことじゃなかったか?」
「そう。それは今――私が証明出来る」
「……なに?」
神威がくぽはグミが言ったその言葉の真相には気づけなかった。
グミはだから――嘲笑って、一言述べた。
「ぶっちゃけて言えば、私は六万三千体いる“グミ・クローン”の一人。
オリジナルは既に消滅してしまったから、良くはわからないけれど、彼女が死んだあとの記憶は彼女の脳に埋め込まれたミクロ集積回路から直ぐに別のクローンへと移築され、クローンが起動するしくみとなっている。
……私は今、二人目ということになる」
……突然そんな発言をされても困るんだが? 恐らく神威は思ったことだろう。しかし――神威はそれを信じることにした。彼は今まで常識を何回も覆されてきた。今更何に驚くことがあるのだろうか。
「……で、私が言いたいのはひとつだけ」
「ん」
「……作者が三人称書きづらいから、次から一人称にしたいって」
「それこの流れで言うことか?!」
「違う……簡単に言いましょう」
「ああ、そうしてくれ」
「……今、カミサマの世界は“魔女”が占領している」
つづく。
魔女と学校七不思議 第02話
グミさん登場。
たぶん私は二人目だと思うから(何
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