聞き覚えのある笑い方に振り向いたけど
どこで会ったのか思い出せないままで
霞んでいく記憶に無いはずの答えを探す

それは涼しげな木陰の下だった?
それは湿っぽい裏路地の奥だった?
それは軋む廊下を曲がった先だった?
それは優しげな色で見つめてた三日月?

そうしている間に遠ざかっていく
こうやって逡巡したことすらも消えて
幻の出会いをまた手に入れるのでしょう
次はきっと思い出せるように


見覚えのある歩き方に振り返るけど
どこで知ったのか思い起こせぬままで
霧散してく記憶に無いはずのあなたを探す

それは満開の桜の下だった?
それは雨上がりの丘の上だった?
それは滲む夕日が沈んだあとだった?
それは儚げな色をこぼしてたホオズキ?

そうしている間に消え去っていく
こうやって夢想したことすらも溶けて
彼は誰の出会いをまた手に触れるのでしょう
次はすぐに思い出せるように


蝉時雨の鳥居の下だっただろうか
明け方のアンダーパスだっただろうか
眠る前の冷えた窓際だったろうか
知らない夜汽車の通る音だろうか
星の輝きを混ぜたワッフルだろうか
喜びの粒を練り込んだ飴だろうか
誰かの涙を集めたソーダ水だろうか
ため息の糸で紡いだ暖かな丹前だろうか
年老いた猫が見つめた時計の隙間だろうか
波打ち際で静かに眠る小瓶の手紙だろうか
日照りに消された大切な言葉だろうか
偶然たどり着いた祈りが終わる瞬間だろうか
明日の眠りを愛しく乞うカケスだろうか


つぶさに捉えた何もかも
小さな箱にしまいなさい
忘れてしまっても消えないように
消えてしまっても褪せないように


そうしている間に逃げ飛んでいく
こうやって思索したことすらも爆ぜて
夢遊な出会いとまた手を繋ぐのでしょう
次もここで笑い合えるように

次はそこに辿り着けるように

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

いつか会ったね

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投稿日:2024/05/11 10:49:17

文字数:766文字

カテゴリ:歌詞

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