20XX年
廃退した法制度の日本
ネオン街からさらに少し街の奥へ 
歩を進めた場所にある
「NeoYoshiwara」

そこはまさに歓楽街
古い歴史を繰り返すように
少女たちはその身体を売り
男たちは儚い一夜の夢を買った

いくつもの廓の中で
規模は大きいとは言えないが、
NewYoshiwaraで一番人気の高い廓
「Vocaloid」

黄金色の髪の少女は幼い頃
その廓に引込禿として引き取られ
齢14にしていつしか
Vocaloidの花型花魁となっていた

少女にはそれなりのプライドがあった
遊女とはいえ、最高位の花魁 太夫となった今
どんな客にも望んだ夢を与えることが出来た 
一夜限りの

昔の吉原と異なる現代のNewYoshiwara
携帯電話のメールで行う心の遣り取り
その少女は客に本気になることは無かった
余程の理由が無ければ常連も作らなかった

心を売るつもりは無かった
(その少女は情に弱い故、同じ客をとらないのかもしれない)

ここはNewYoshiwara
一夜の夢を売る街

それ以上の物は与える事が出来ず
そして、与えられることも無い


そんな少女の前にひとりの男が現れる
その男は客の付き人としてVocaloidを訪れた

二人は客と花魁でも無く
男と、女でも無く
身体を重ねることは無かった

ただ、惹かれたのだ お互いに
意味も無く(否、意味は有るのかも知れない)


疑問を持つ事無く
花魁として育ってきた
少女の心は揺れ
そのプライドも崩れた

その男の主人と身体を重ねる事でしか
二人に会う術は無かった

主人の隙を見て交換したメールアドレスが
彼女の宝物となり
また、その男の宝物となった


しかし、常連を取らない事で有名だった花型花魁
すぐに周囲は異変を感じ取り

また、その男の主人も二人の関係に気づき始める

秘密を守るため、突きつけられる無理難題

少女は疲弊し
心を無くしていく

やがて男は決意する
少女を連れてこの街を出ることを

付き人のその男に
花型花魁である少女の見受け金を払う甲斐性など無く
逃亡するしか手立ては無かった

この街 最大の禁忌「逃亡」

少女も男も
本当はわかっていたのかもしれない

そう簡単に逃げることが出来ない事を

それでも、しがらみなく
二人手を繋ぎ
少しでも時間を過ごしたかったのであろう

ある日の夜
裸足で 二人仲睦まじく手を繋ぎ走り去る
男と女を見掛けた
その男と女の揺れる髪は
同じ美しい、黄金色をしていた

誰も居ない少女の部屋で
携帯電話のマナー音が鳴り響いた

(その後の彼女らを誰も シラナイ)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

New Color Town

http://piapro.jp/t/-LlS
Kazkunさんの新曲!のもう一方~☆
面白い感じですが切ない感じもあって・・・( ・∀・)イイ!!
ということで書いてみました。
jazzなんだけど、リンちゃんの和っぽさを組み合わせてますた。
今回はちょっと物語っぽく意識してかいてみました~
☆-(ノ゜Д゜)八(゜Д゜ )ノイエーイ

*******************************
不採用なう!!
でも今回は新しい試み ということで物語調を意識
まだまだ拙いですが、
個人的には結構好きな部類です

歌詞は元ファイルに
背景の物語を新しいファイルにうp

閲覧数:292

投稿日:2011/01/23 22:51:44

文字数:1,108文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました