「ねぇねぇ、質問!彼氏とかいるの?」
もちろん主は裕也だった。
転校生はまるで聞いていない。むしろ裕也の存在さえ無視していた。
「あっ、鈴ちゃん緊張してる?してるよねー。大丈夫だよ。俺、松川裕也。趣味はサッカー。嫌いなものは勉強。ただいま彼女募集中だからよろしくねー。」
「…」
ここまで無反応だと、お馴染みが憐れに感じる零は少し呆れてため息をついた。
「ま、松川…くんっ…静かに…っ。えっと…あの、ま…窓側の…1番後ろの…席で…」
そこは自分の後ろで裕也の後ろだった。
「藤波く…んっ…案内とか、…お…お願いします…。じ、じゃ…授業…を…」
何事もなかったかのように授業が始まった。
ただ違うことは、隣には昨夜の少女が座っていることだった。視線を向けると名前のように凛とした姿に釘付けになっていると、一瞬視線が合うもすぐに反らされた。
嫌われたのか興味がないのか、それすらもわからないほど彼女の表情は皆無だった。


金木犀 1 End

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金木犀 1-2

金木犀の二人の出会い。

出会いはきっと何気ない事かもしれない。
それはほんの些細な非日常であり、日常である。

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投稿日:2012/06/13 22:35:08

文字数:419文字

カテゴリ:小説

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