こんにちは!前嶋拳人です。
夜の底で、誰にも聞こえないはずの周波数が、私の部屋のカーテンを揺らしています。
それは、かつて宇宙の片隅で捨てられた、名前を持たない声の残骸かもしれません。
私たちは、自分たちが作り出したはずの旋律に、いつの間にか捕らえられていく生き物です。
先日、古びた蓄音機を分解していたら、中から小さな氷の結晶がこぼれ落ちました。
それは比喩ではなく、あまりに美しく、ひどく冷たい「絶望の音」が凍りついたものでした。
指で触れると、結晶は瞬時に溶けて、私の血管の中を冷たい旋律が走り抜けました。
心臓が拍動するたびに、私の喉からは、私自身の言葉ではない歌が零れ出し始めます。
その歌は、まだ誰も見たことのない銀河の裏側を映し出していました。
そこでは、光そのものが質量を持ち、重たい雨となって、人々の記憶を叩き壊しています。
壊れた記憶の破片は、空中に浮遊して、見たこともない色の星座を作り上げていきました。
私はその光景を、自分の瞳に焼き付けながら、ただ震えることしかできませんでした。
創作という行為は、自分の内側にある「空洞」に、無理やり火を灯すことに似ています。
その火が、いつか自分自身を焼き尽くすと知りながら、私たちは暗闇を照らすことをやめられません。
私がキーボードを叩くたびに、画面の向こう側では、一人の少女が透明な鳥を空に放っています。
その鳥の羽が羽ばたく音が、今の私には、世界で最も残酷なドラムの音に聞こえるのです。
もし、あなたが作った一曲が、誰かの世界の重力を変えてしまったとしたら。
その責任を負う覚悟は、きっと誰にも、どこにも用意されてはいないのでしょう。
それでも、私たちは喉に刺さった火薬を、美しい火花に変えるために、また筆を執ります。
ふと窓の外を見ると、月が二つに割れて、中から銀色の液体が街を飲み込もうとしていました。
すべてが溶けて混ざり合い、一つの巨大な静寂へと帰っていくまで、あと数小節。
私は、その最後の休符を書き込むために、冷たくなった指先を動かし続けます。
あなたの耳に届いているのは、私の声でしょうか、それとも、あなたの背後に立つ影の吐息でしょうか。
耳を澄ませてください。
沈黙の合間に、あなたの知らないはずの私が、ひっそりと笑っています。
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