今日も私はいつものように
叱られ蹴飛ばされ 押し込められる
この家でただ一つ私に与えられた空間
狭く暗い物置の中へ


人は皆平等なんて 一体誰が言ったのか
壊れた秤を使っても 釣り合うものも釣り合わない

事ある毎に難癖付ける 横暴な叔父を憎めばいいのか
家中の家事を押し付ける 理不尽な叔母を怒ればいいのか
誰も教えちゃくれないの

あざだらけの頬をさすり
とぼとぼ閉じ籠もる 惨めな自分
幸せそうな家族の会話を遠くに聞きながら
両手で強く膝を抱える


薄暗いこの世界に 神様なんていやしない
例え存在するとしても それは私の味方じゃない

汚らわしいと貶し嘲る 意地悪な義姉を妬めばいいのか
人並みの幸せも持たない 自分自身を呪えばいいのか
答えは誰が知ってるの

髪に付いた埃を払い
暗くうなだれる そんな毎日
彼らにとって私は邪魔者としか見られてない
誰からも愛されない存在


幸せなんてありはしない
この暗い世界に 籠もる限りは
それぐらい分かってる、けどどうやって出ればいいの
私が生きていられる唯一の空間なのに
やつれた頬を伝う涙

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

幸せの無い物置

納戸婆(なんどばば):西日本に伝わる、老婆の妖怪。
人家の納戸の中に棲み、中から飛び出して人を脅かす。
納戸を掃除しようとしたり、箒で叩き出すと、床下へと逃げ込む。

閲覧数:86

投稿日:2009/08/20 15:31:49

文字数:475文字

カテゴリ:歌詞

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  • 碧夜

    碧夜

    ご意見・ご感想

    こんにちは。今回は虐待されている子の話でしょうか。
    今はこういった話が多く聞かれるのが悲しいです。
    幸せのない空間から、自分自身で抜け出せるか、それとも救いの手が差し伸べられるか。
    色々考えさせられます。

    2009/08/20 17:01:47

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