ジャケット

大嫌いな未来を見ないように
視界を塞いだ両の手が
君を隠していたのだ

水平線、海鳥の啼(な)いた聲(こえ)と業火(ごうか)
泡沫(うたかた)みたいな東雲(しののめ)の儘に
また濁るように

泥中(でいちゅう)に赫灼(かくしゃく)たる灯り咲いて
各自(てんで)の言の葉には
意味も無くて

縋って待った彼(あ)の濫觴(らんしょう)の
賢(さか)しい愛をまた置いてきて
正しい事が悲しく成った儘どうか……

幾許(いくばく)の願事(ねぎごと)を朝焼けの箒星(ほうきぼし)に掛けた
もう一度だけ美しいと思えるように
潺潺(せんせん)と流る時に取り残されていた
幽霊みたいだ

蔚藍(うつらん)の渚まで歩いた
思い出の中の君は笑っていた
其れがとても奇麗(きれい)に思えて
進む事も出来ずに

滔々(とうとう)と途絶えぬ雑踏には哀歌
煤(すすけた)けた高架下で
君が泣き崩れた

憂鬱感に身を委ねて暗がりへ堕ちた
もう二度と美しい景色を失わぬように
叮嚀(ていねい)に吐く息が苦しく成って征くの
聲が途絶えて仕舞わぬ内に

此(こ)の命は確かに動いていた
『屹度(きっと)またこうして、話せる日が来るさ』
「嘘つきだね」

嫌い、未来、見ない、痛いと知る事すらまだ
手折(たお)る花を綯交(ないま)ぜに
充てがう束を眺めては

小夜啼鳥(さよなきどり)の歌が届かない方へ
忘れる為の明日に成るのが怖かった
瞑目(めいもく)の様に聲を鎮めてただ待った
私達は幽霊みたいな儘
遥か遠い昨日に恋を

大嫌いな未来を見ないように
視界を塞いだ両の手を
空に翳(かざ)してみたのだ

00:00 / 03:27

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

回想録/初音ミク off vocal

回想録/初音ミクのoff vocalです。

閲覧数:118

投稿日:2021/05/30 12:02:13

長さ:03:27

ファイルサイズ:3.2MB

カテゴリ:カラオケ/インスト

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