どんな表情をしているだろう。
僕の人生、全てが遺書だ。
片道切符で乗車していた。
朝は無人、眼下の川、茜色。
読まれない文を認めた。
今更だって分かっていたけど
声も失くすだろうから
詞にしよう。
残ることを祈りながら。
星の魚になりたかった夏が過ぎていくから。
もう一度だけ、
もう一度だけ、
貴方に会いたいと歌っただけ。
もう一度だけ、
もう一度だけ、
届けと願って歌っただけ。
指先が冷えていくから、
少しだけ生きている気がした。
昨日に溺れた今日を見ている。
何一つさえ残らない僕の
折れた筆で吐き戻す
空と送り火、風鈴に息、褪せた唄。
花を差す火薬の匂い。
夏を焚べて征くから。
もう一度だけ、
もう一度だけ、
届くといいなと歌っただけ。
もう一度だけ、
もう一度だけ、
あの日のアストロノーツ、
歌っただけ。
夜明けが見えていたから、
いつまでも生きていける気がした。
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