01 再会

暗い路地に息遣いが絶え間なく響いた。
長いツインテールをなびかせ走る少女がひとりいた。
短いスカート、片手に葱。
異様なその少女はただ無我夢中で走っていた。

「ミクお姉ちゃん!」

可愛らしい声を上げ、二人の少女と少年が現れた。
どうやらアルミ缶の中に収まっていたらしい。
似た容姿をしている二人は双子のようだ。

「リンちゃん、レンちゃん!良かったあ」
「ちゃん付けやめろよ、ミク姉」

ほっと安堵の溜息をついたミクという少女に
少しむっとなった声をあげたレンと呼ばれた少年。
ミクはそれにごめんね、と謝る。

「お姉ちゃんたちは?」
「分かんない、近くにいるとは思うんだけどなあ」

リンと呼ばれた少女がそう答える。
白く伸びたリボンが揺れた。
そっか、とミクは答えると微かに表情が揺れる。

「じゃあ、行こっか」

ごろごろとすでに動かない人形が転がっているのに似合わず
ミクの表情はどこか穏やかだった。


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  • 非営利目的に限ります

【小説】Cloudy sky 01

やってしまった
しかし後悔はしていない・・・かも
この前投下した歌詞をイメージしてみたつもりです。
長編になりそうな予感。


閲覧数:307

投稿日:2008/04/23 18:30:43

文字数:416文字

カテゴリ:その他

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