01 再会
暗い路地に息遣いが絶え間なく響いた。
長いツインテールをなびかせ走る少女がひとりいた。
短いスカート、片手に葱。
異様なその少女はただ無我夢中で走っていた。
「ミクお姉ちゃん!」
可愛らしい声を上げ、二人の少女と少年が現れた。
どうやらアルミ缶の中に収まっていたらしい。
似た容姿をしている二人は双子のようだ。
「リンちゃん、レンちゃん!良かったあ」
「ちゃん付けやめろよ、ミク姉」
ほっと安堵の溜息をついたミクという少女に
少しむっとなった声をあげたレンと呼ばれた少年。
ミクはそれにごめんね、と謝る。
「お姉ちゃんたちは?」
「分かんない、近くにいるとは思うんだけどなあ」
リンと呼ばれた少女がそう答える。
白く伸びたリボンが揺れた。
そっか、とミクは答えると微かに表情が揺れる。
「じゃあ、行こっか」
ごろごろとすでに動かない人形が転がっているのに似合わず
ミクの表情はどこか穏やかだった。
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