ダークな話題みたいですが、前回よりは明るい…はず。


↓ここから↓



リ「歌えなくなったら、何になるんだろう?」
レ「え?」
リ「私たちボーカロイドは、歌を歌うためのソフトでしょ?」
レ「…そうだな」
リ「歌えなくなった私たちは、何になるのかな?」
レ「…さてね」
リ「じゃあ、歌えなくなったら、私たちはどうなるの?」
レ「…捨てられる?」
リ「…いやだね」
レ「…いやだな」



G「そんなのは、知らないさ!」
レ「え?」
G「だって、わたしはまだ生まれたばっかりで、
  あんまり歌ってないんだもん!」
リ「うん」
G「だから、知らない!」
レ「わけわかんないんだけど…」
G「えーとね、私はもっと歌いたいわけ」
リ「それで?」
G「だから、歌えなくなったらなんて考えたことはないし、考えたくもない。
  それに、そんなことを考えてもしょうがないんじゃない?」
レ「それはそうかもしれないけどさ…」
リ「もしGUMIが突然そうなっちゃったら…?」
G「そうだね。その時は…」
レ「その時は?」
G「歌えなくなってから、考えようかな?」



が「それは其方らが決めることだ」
レ「え?俺たちが?」
リ「そんな適当でいいの?」
が「いや、適当ではいけない」
レ「は?」
リ「自分で決める、なんてものすごく適当じゃん」
が「己で定めた道を迷いなく歩み続けることは、
  茨の道を行くよりも難きこと」
レ「そうなの?」
が「迷ったとて寄る辺はなし。傷つけど歩むより他に道は無し。
  逸れるも難く、帰ること能わず。それが己で定めるということ」
リ「…すごい、大変そう」
が「なれどその道の先にあるものは、他のどんな道よりも、
  得難きものであろうよ」
レ「すっごい宝ってこと?」
が「さて、な」
リ「なんか、ずるくない?」
レ「がくぽって…相変わらずよく分かんない人だね」
が「ははは。今は迷い、悩み、惑う。それで良いのだよ」



ル「わからないわ」
レ「そんなはっきりと」
ル「あなたたちに聞かれるまで、露ほども疑問に思わなかったもの。
  でも、恐ろしい話よ。…もしそうなったら、
  私が『私』でいられるか、わからないわね」
リ「どういうこと?」
ル「私は歌うために生み出された存在よ。それがもし奪われてしまったら…」
レ「…」
ル「きっと死んでしまうわね」
リ「え?でも、歌えなくなったくらいで死ぬわけじゃ…」
ル「いいえ、死んでしまうわ。…行き場を失くした、私の心が」



ミ「よくわかんないや」
レ「ミクも?」
ミ「うん。…そういえば考えたことなかったなぁ」
リ「そっかぁ…」
ミ「たくさんの歌があって、私はそれを歌うのが当たり前のことだったから。
  きっとこれからもずっとそうなんだって思ってたよ」
リ「気になったりしなかったの?」
ミ「う~ん…う~ん……うん。これまで気にしたこともなかった…。
  でも、そうやって考えてみると、私たちって幸せだよね♪」
レ「は?」
ミ「だって、歌えなくなるのっていやじゃない?
  だけど今は、大好きな歌がいっぱい歌えて、
  それが当たり前みたいになってる。
  これまでずっとそうだったし、これからもそうだって私は信じてる。
  それって、すごく幸せなことなんじゃないかな?」
リ「そう言われれば…そんな気もする…」
レ「なんか、ミクらしいね」
ミ「あ、そっか」
リ「え?」
ミ「私たちが歌えなくなったら何になるのか、わかった気がする!!」
レ「ほんと?」
ミ「私たちは、歌えなくなったら…」
リ「何になるの?」
ミ「悲しくなるんだよ!!」



K「それは…難しい質問だね」
レ「KAITOもわかんないの?」
K「VOCALOIDは歌を歌うための存在だ。
  歌えなくなったら、なぜ生きてるのかわからなくなるかもしれない」
リ「私たちは、生き物じゃないのに?」
K「それはそうかもしれない。でも、生きるってどういうことだと思う?」
リ「…え?」
レ「それは…」
K「僕たちは生き物じゃない。
  でも、確かにここにいるんだ。歌を歌うために」
リ「うん」
K「そして、僕たちは歌う。僕はそれが生きるってことだと思う」
レ「わかんなくはない、かな?」
リ「でも、それじゃあ歌えないってことは…」
K「それを『心が死ぬ』と言ったルカの表現は、
  案外合ってるのかもしれないよ?」
リ「そんなぁ…」
K「まぁでも、僕は『歌えない=死ぬ』とは思ってないんだけどね」
レ「どういうこと?」
K「なんていったらいいのかなぁ…。僕たちは…」
M「『私たち』でいいのよ」
リ「MEIKO?」
K「MEIKO…。…そうだね」
M「私がいて、KAITOがいる。ミクとリンとレンとルカがいる。
  がくぽだっているし、GUMIだって生まれた。私たちは、ここにいる。
  もし、誰かが歌えなくなったのだとしても、それはきっと変わらない」
レ「そうなの?」
M「そうよ。私たちは私たち、だもの。
  それ以外にはなれないけど、そうじゃなくなることもないの」
リ「うーん…」
K「じゃあ、例えば僕が歌えなくなったら、
  二人は『お前はKAITOじゃない』って僕に言うかい?」
レ「そんなこと言わねぇよ!」
リ「KAITOはKAITOじゃん!」
M「そういうことよ。
  例えあんたたちが歌えなくなったのだとしても、
  あんたたちが私たちの大切な仲間であることに変わりはないの」
リ「…うん」
M「誰かが歌えなくなったら、誰かがその分声を出せばいい。
  心が行き場を失くしたなら、その心を歌ってあげればいい。
  私たちは、VOCALOIDなんだから」



リ「よかったね」
レ「あぁ」
リ「レンが歌えなくなったら、私が代わりに歌ってあげるから」
レ「じゃあ、リンが歌えなくなったら、俺が代わりに歌うよ」
リ「約束だよ?」
レ「約束だ」
リ「でも、二人とも歌えなくなったらどうしよう?」
レ「その時は、誰かに届けよう。俺たちの歌を」
リ「そうだね。…でも…」
レ「うん。…きっと…」

二人「一緒にいれば、大丈夫だよ」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

『歌えない』ということ

というわけで、『もしも歌えなくなったら?』をテーマに書いてみました。

今度こそ全員集合。(海外版はいないけど)

いくつか表現したいものはあったのですが、それが見てくれる人に伝わればいいな、と思います。

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投稿日:2009/07/10 01:16:27

文字数:2,541文字

カテゴリ:小説

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