もう幾度と空を見れば
街路樹に錆びたメリーゴーランド
間抜けの劇場舞台裏
演目は「鳴り止まない喝采」

少しだけあと少しだけと
足りない音を探した

燦燦と降りしきる雨声
どうやって鈍色の世界で
「届くわけない」と
肥溜に吐いた弱音を捨てて
裏表考えて泣き止んだ
その小さな声だっていつか
「届くはず」と空き罐蹴飛ばした
独法師のメインアクター

こうなることは分かっていたんだと
知らん顔で横切る真っ黒な
ヒトの形をしていながらも
ヒトの温もりのない空っぽの存在

きみは特別さ
みんな同じ顔をした羊だと
一人ぼっちになる
この小さな演芸場で迷子のお知らせを
どうか聞いてよ　ねえ

ここじゃないどこかで
少しだけあと少しだけと
足りない音を探した

燦燦と降りしきる雨声
どうやって鈍色の世界で
「届くわけない」と
肥溜に吐いた弱音を捨てて
裏表考えて泣き止んだ
その小さな声だっていつか
「届くはず」と空き罐蹴飛ばした
鈍色の世界で音を鳴らせ

間抜けだとひがみ嫉み疲れた
観客は唾を吐きすててぼくはまた逃げ出す

燦燦と降りしきる雨声
どうやって鈍色の世界で
「届くわけない」と
肥溜に吐いた弱音を捨てて
裏表考えて泣き止んだ
その小さな声だっていつか
「届くはず」と空き罐蹴飛ばした
独法師のメインアクター