[蛍火]
夕闇暮れて細道
ほら一、二の、三で 灯りが燈る
身に染み入るような橙の灯り
鈴の音が君を誘っては
飴のように滲む提灯と鳥居
群れなして交わすもののかい
ひとつふたつ 影たちが手を叩いて
祭囃子 霧雨に似た喧噪
水飴落ち 座り込んで傘の下
赤い裾と 金魚が二つ
君を見つめていた
耳を澄まして この場所 道は
思い出に浮かんだ芥と
夜の深くから絃をつないで
幻想を漂う船よ
そっと手を離して 駆け出してしまえば
日々がまた君を分かつけど
朝が遠いとき 明星のない夜には
また思い出して欲しいの
幽か響く声たち
風を呼んで静寂に還る
霧に霞み蛍火
ほら一、二の、三で 灯りが消える
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