―ずいぶんと平凡な日だなぁ~…。
勉強してるのにはもったいない。
お気に入りのラジオチャンネルをつけて、お気に入りのゲームの電源を入れた。
大好きなヘッドフォン付きiPodは、ちゃんと充電中。
『―…曲の途中ですが、どっかの国の大統領から話があるそうなので切り替えます。』
―はぁ!?
『☆※℃& 仝∴£※§』
どっかの国の大統領だけあって、聞いたことない言葉が流れた。
その直後、日本語に直されたものを、MC・旬のアイドル如月モモが読む。
「…嘘だろ」
【ヘッドフォンアクター】
"本日、地球は…お、終わります"
彼女の泣いているだろう声を思い出しながら、窓の外を見ると、大きな鳥たちが空を覆い尽くしていた。
まるで、通勤ラッシュの渋滞中。
いつもは見えているはずの三日月も、その群れにのみこまれて見えない。
―どこへ向かってるんだろう?
やりかけてたゲームは、人生初のノーセーブ。
机の上には、ほとんど手付かずの参考書。
震える身体を押さえるために、すぐにヘッドフォンをした。
…が、表示された文字は『項目:不明なアーティスト タイトル:不明のナンバー』。
遂に壊れたのかと思ったが、どうやら違うらしい。
なんとなく声が聞こえてくる。
…少し間が空くと、それはいつの間にか大きくハッキリ、自分の耳に届いた。
『さぁ、生き残りたいでしょう?』
蠢き出した世界会場で、波打つように揺れる摩天楼を見ながら、バカみたいだって思った。
…でも、だって、聞いたことあるなんてもんじゃないんだ。
これは絶対、聞き飽きた、…つまり!
自分の声なんだ。
ヘッドフォンの向こうの自分は、そんなこと、知ってか知らずか、こう続ける―…
『あの丘を越えたら20秒で、その意味を、嫌でも、知ることになるよ。』
は?"あの丘"?
あの、"あの丘"のことか?
『疑わないで耳をすませたら、20秒先へ…』
…つまり、"あの丘"へ向かえってことな。
「―上等」
家を飛び出して、とにかく走る。
交差点は当然大渋滞で、こんなときには老若男女も関係ないらしい。
怒号やら赤ん坊の鳴き声でうまってる。
暴れだす人、泣き出す少女、祈りだした神父を追い抜いて、ただ独り目指すのは逆方向。
そう、"あの丘"の、向こう。
ヘッドフォンからまた声がして、『あと12分だよ』と告げられた。
さっきの20秒ってなんだったんだよ!って思ったけど気にしない。
だって、このまま全部消えちゃうんなら、もう術なんてない。
ざわめきだす悲鳴合唱を聴いて、涙目になってかすめる10秒。
疑いたいけど、誰がどう聞いたって終わらない人類讃歌。
『駆け抜けろもう残り1分だ!』
聞こえたか聞こえてないか分からないヘッドフォンからの声なんかほっとく。
なんてったって、目指してた"あの丘"は、もう目の前に………っ!?
** ** **
「素晴らしい。」
私は、息を絶え絶えたどり着いた君を、拍手で讃えよう。
さて、ここからの風景は、君の目にどう映るかな。
私は、白衣を身に纏う科学者。
ただ、日々を研究にあてるだけの存在である。
私の初めての研究は、最後の研究となり、今日、終わりを迎える。
「………疑うよ…」
そう言う君の目に、この実験施設は、どう映ってい"た"んだい?
残念なんだが、どう映ってい"た"としても、関係なく、私はこの手で終えるよ。
「もう、不必要だ。」
片手間に爆弾を投げると、燃える、燃える。
「箱の中の世界で、今まで生きてたんだな。」
ああ、そうだよ。
箱の中の世界…つまりただの実験施設の中の、君たちはモルモット。
ただ呆然としている君のためにと、私は手元のボタンを操作する。
…だからきっと、今、君のヘッドフォンからは『ごめんね』と流れているだろう。
作戦実行の目的:目を疑わせる
作戦結果:)予定通り、検体を1体捕獲。
** ** ** ** **
ちまちま書いてたのがやっと完成だー\(^O^)/
1ヶ月弱くおりてぃ(´ω`)
※途中で書き方変わってるのは、許して下さい←
テスト終わったから、のんびりしまくるぜ☆
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