ここから、消えたい
そう思ったのは、今だけではない。
いつもいつも、私は消えたいと願い続けてた。
偽善と偽りだらけの世界も
楽しくはない
だから、もっと楽しい世界があると信じていた
「ねェ、そこのきミ」
歪な言葉を発する、振り向くと妖しい道化師がいた。
金髪の髪を後ろで束ねている。
瞳の下にナミダのマーク。 どこかのピエロなのだろう。
「なぁに、ピエロさん」
道化師は、一つの熟れたイチゴを渡す。
甘い香りのする、でも妖しいイチゴ。
「ロシアンルーレットを、始めよう」
そういうと、私はどこかへ連れて行かれた。
妖しいイチゴを手にしたときから
私は全てをわかっていた。
このドクを口にするのは、私だということが。
「ここは、ドコ?」
「ロシアンルーレットの参加者だヨ」
ドコと聞いたのに、人のことを答える。
道化師は、人のことなど、気にしないみたいだ。
「何で、俺らが命を賭けなきゃいけないんだ!」
青い髪の青年が言う。
隣で泣いているのは緑の髪の少女。
ピンクの髪の女性はイチゴを手にしながら、何処かを眺めてた。
「キミたちに渡されたイチゴは4つ。
僕は1つに毒を塗った。
偽善と偽りの世界へのロシアンルーレットだヨ」
何処かで聞いた台詞。
〝偽善〟と〝偽り〟はこの世界のこと。
そう、ずっと思っていたのは、私と――・・・
「毒・・・?!」
ピンクの髪の女性はびっくりしながらイチゴを眺めた。
紅く美しく熟れたイチゴ。
普通に見れば、毒なんて塗られてないだろう。
「あら、私は知ってるわ。毒を塗られたイチゴ」
私は口を挟む。
その瞬間、みんながこっちをみた。
あの、道化師も・・・
私は、自分の持ったイチゴを口にする。
毒が回るのは、2、3分後だろう。
「私が、終止符を打ちましょう」
妖しく私は笑う。
みんなの背筋がゾっとしたと思う。
自分のイチゴが毒とわかって行った行為。
「私をこの鎖と腐りから救い出さないで
目の前で〝死〟を見た罪を背負い続けて」
妖艶な瞳で笑う。
青い髪の青年は、ずっと私を見てた。
緑の髪の少女は、ずっと泣いていた。
ピンクの髪の女性は、笑っていた。
「キミは死んではイケナイ」
その言葉とともに、道化師が
私から、毒を抜いた・・・
いいや、正確には
毒のあるイチゴを毒のないイチゴと言い聞かせてた。
そう、毒が塗られてるのは3つ。
私が食べたのは、毒が塗られてない。
青年も、少女も、女性も倒れた。
毒のことを話したとき、3人は反応しなかった。
毒を抜く、じゃない・・・
毒のないことを話す道化師の顔が
私の顔に見えた・・・
汚れた私は、毒と言い聞かせてイチゴを食べ、生き残った。
妖しい道化師は、毒のないイチゴと言い聞かせ、毒を食べさせた。
二人の未来は、同じ。
死ぬまで続く、罪。
ああ、恐ろしい罪のイチゴ。
----------------------------
------------
----・・・
「え、どういう意味?」
「何だろうね、私もわからない」
「少女も道化師も、どうなったんだろう・・・」
「もし、そこのお嬢さん」
「ねえ、そこのキミ」
「「ロシアンルーレットを、はじめようか?」」
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