泣いている理由さえなくしても
泣いている ただ泣いている
束の間の慰みに花添えて彩れば真綿のいましめ
理想的な理想の途絶えた世界
正しく過ちを巡り重ねては揺れて
血溜りに零すこの雫のように
馴染みあうほどに通じあわない
願いごと振り替えては戯れごと
日毎夜毎ひびの割れた爪を砥ぐ
暗い部屋はひとりきりで何かに縋りつくように
震える今も眠れない
奇跡は破滅へと姿を変えて
繰り返せば鈍く濁り行くだけの絆
棘刺す枝で絡みつけるは縁
差し伸べる手ははねのけるそのため
願いごと振り替えたらずっとそばに
窓辺の影 憬れを優しく手招く
誰もいない暗い部屋で運命を撃ち抜くのなら
せめて夢を安らかに
泣いている音もなく色もなく
泣いている 空になる
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