ときに正しい言葉が
薄い鱗を削り

寄せては返す 理
八十八の宇宙
たゆたい移る景色は
遠い記憶の中で

艶やかな花も うた歌う鳥も
すべて闇に溶ける

光は 水面撫で往き
水平線も 朧
漁火 遙か遠くに
ゆらぐ道は 薄明

月夜は何故 いつも淡く儚い

書いては戻す 言の葉
なおも届かぬ理想
戸惑い憂う心は
長い歴史の中で

荒れ果てた城も 越えられぬ壁も
すべて砂に還る

夜露は いつか散りゆき
分かり合えない 定め
ひとしく 重荷背負いて
歩む道は 薄氷

季節は 過ぎて気がつき
波も 先には立たず
鏡は 何を照らすか
満ちた月も 薄曇

私は未だ なにも成し得ていない

山際 やがて色めき
刹那の凪も 終わる
星は消えゆく 有明に
欠けた月と薄鱗

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作詞・作曲/地見鶏
歌/初音ミク
絵/よしはる
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ライセンス

  • 非営利目的に限ります

欠けた月と薄鱗

閲覧数:53

投稿日:2021/01/11 12:08:27

文字数:376文字

カテゴリ:歌詞

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