(A)
日の目が見えない極夜
夜更けに刻む傷
二度目の叫び虚しく
負う 印(いん)

砂漠を超えた先にある
商人の入れ替わり立ち代わる街
絨毯の上に座ってた
君を連れ帰った日の事

(B)
憧れない わけがない その純粋な瞳
ボロが出ない わけがない 汚れ切った私
膨らんだ頬はバルーンのよう すぐに割れてなくなる

(S)
「もっと もっと 歌いたいな」
全てと見違えた君の声
狭い部屋 散らばる灰に
響き渡って
もっと もっと 君の事
知ってほしいんだ 窮屈な
全てを飛び越えて 日のあたる
別次元へ

(A)
だけど
非の目ばかりがちらついて
夜入りに拭う涙
「上手くいかないみたいだね」
君はなぜか不思議そう

眠れないのは私だけ
流れた涙を呑み込んで
何事もないように倒れる
君が映る

(B)
悔しくない はずがない 閉じられた瞳
君を見ない はずがない 私だけでもそばにいるよ

(C)
押印された返品届 レッテルが牙を研ぐ
君とよく似た誰かが 箱に詰められるのを見た

未だ日の目は見えない 睨む目も消えちゃいない
投げられる言葉に迷わないように 手を繋ぐ

(B)
嬉しくない わけがない 映り込んだ輝き
夢を見ない わけがない まだまだ行けるはず

(S)
「もっと もっと 歌えたらな」
呆然とのぼる私の声
無銭で住み続ける雲
君は目を閉じて
「もっと もっと 歌うよ」
響くその麗しい声
もたらす光は心を打って
蘇る
もっと もっと 君のこと
知ってほしいんだ 窮屈な
全てを飛び越えて 日の当たる
別次元へ

蘇る