私は、人と接するのが苦手だ。
誰とも話さない、誰とも接しない。
これ以上なにを求めろというのか。





外出禁止から一年。

今日はお父さんもお母さんも出掛けている。

屋敷にはメイドしかいない。

これはもしや、チャンスなのかもしれない。

一年ぶりに外に出るチャンス!

今度は、分からないように、フードを被っておこう。













一年がたった

街は変わってはいない

相変わらず、賑やかだった





ここ一年、私はあることが胸に引っかかっていた

それは、一年前に聞いたあの言葉…

そう、叔父が言った…

"アリス"



一体この"アリス"は、なにを意味するのか。

誘拐した双子…



そんなことを考えながら歩いていると、なんと


道に迷ってしまった。
















いや、単純に道に迷っただけだが…



迷った所が…悪かったかもしれない

どこまでもどこまでも続く、闇の中

何も見えないし何も聞こえない











嫌な予感がする








ふと、その瞬間



「あら、久しぶりに人に会ったわね」


女の人の声がした。

振り返ると、そこには提灯らしきものを持った女の人が立っていた



「………誰?」

「誰って…そうね…」


女の人はしばらく考え、いたずらっぽく笑い


「最強の女剣士…かな?」


自分で最強って…


「それより、貴方は誰?」

「魔導師一族後継者、鳴風りおん」

「魔導師…ねぇ」


初めまして。と、女の人はにっこり笑う


「貴方の名前を…教えてください」

「やっぱり気になるのね…わかったわ。メイコと呼んで頂戴」

「メイコ…さん」


よろしくお願いします。と一礼すると、メイコさんはいきなり


「突然だけど、私と勝負しない?」


と言った






勝負…?

勝負…


「…武道…ですか?」

「もちろんよ。だって女剣士だもの。それに…」





私、魔導師なんて初めてだわ。



余裕そうに静かに笑う。




勝負か…

やってみる甲斐はあるかもしれない…


「あ、そうそう」


考えを遮るメイコさんの声


「もしも負けた時に…条件をつけようじゃない」

「条件…?」

「そう。もしも貴方が負けたら…そうだわ、私のパートナーになってくれる?」

「パートナー…?」

「貴方、強そうだし、私も旅してて一人じゃつまらないから」

「旅…どこへ向かってるのですか?」

「不思議の国よ」





"不思議の国"



私が引っかかってた二つ目の言葉

あんまり触れたくなかったが…






知りたかった。

"不思議の国"について





「わかりました。引き受けます」

「ありがとう。貴方の条件は?」





私の条件…











「………武器をください。」

「武器?」

「はい、戦えるような…たくさん…いえ、もらいはしません」

「いいわよ?何に使うの?」

「武器の強化に使いたいのです。」






最近密かにハマっていた

"武器強化"

剣に薬を塗ったり、丈夫にしたり…

楽しすぎる!!


「面白そうね!条件にしなくてもあげたいぐらいよ」

「いくらでも強化します…!」














勝負なのに、心がワクワクして来た

こんな気持ちは久しぶりかもしれない。

いや、覚えてないから、初めて…かな?





「じゃあ、始めるわよ」








人生初の、"勝負"



魔導師りおん・15歳

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

人柱アリス~六番目の魔導師~#02

第二話です。

一番目のアリス出ました。
出会いの順は
一番目→四番目→三番目→五番目→二番目です

五番目アリスは誰かは…お楽しみに♪


この小説は

Amebaグルっぽ「ボカロ@なりちゃ」人柱アリスなりちゃの皆様の提供で、

お送りします。

閲覧数:142

投稿日:2013/01/18 21:42:00

文字数:1,504文字

カテゴリ:小説

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