ケチり値切ったエアコンで
夕闇涼んだ初夏のこと
汗をかいてるグラスの側で
溶けたお水をすすってみては
やはりケチったブラウン管
三色瞬く単色ノイズ
多角く四角い複眼然して
向こうの誰かを寄り目してんだ
夢みる前に夢を見た
網の向こうのトンボのように
揺らぎくすんだ慕情の陰で
目覚まし鳴る前止めている
傾く網戸に被せるように
ひさし代わりのすだれたち
漏れこぼした真夏の残光
無残に焼けた腕の腹
からんからりと透かし見た
褪せたプラ椀わだかまり
七色一筋指に当てては
ノスタルジィなど浸ってる
夢みる前に夢を見た
網の向こうのトンボのように
揺らぎくすんだ慕情の奥に
気づく前に覚めるように
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