生まれた季節の色を知らない子どもらが手折った
水色紙飛行機は三月の曖昧な空を横切って
遠くへ ただ遠くへ
消えていったんだ
忘れていたのは時間の痛みだ
消えていくのは悲しい光だ
愛のうたを歌う声が公園に鳴り響くころ
さよならの合図が夕暮れを食べてしまっても
愛のかたちを探す僕はコーヒーを飲みながら
ひとりで ただひとりで
誰かを待っていた
忘れていたような遠い記憶も空に還す
紙飛行機を追いかけた
群青が空を閉ざしてもさよならが言えなかったんだ
愛を歌った僕の声がこの街に響くころ
夜が季節の名残を染めて眠った
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