「東京タワーに登って、全部見下ろせたらなあ……」
最低野郎なる君に
拝啓、歌を歌うよ
19の夏の日々が ずっといとおしいまま
上手になったことなど
冗句くらいしかないわ
寂しい六畳間の 無造作の 過去の気配
そう それはつまり 小恥ずかしい 過ちと
尚も汗ばむ 恋の冗長
今日も 私を濡らす想像
どんな美辞も麗句も 証明不可能なのよ
ちょっと賢いフリが
功を奏して頂戴
二人の 恋は決して綺麗じゃないものだったが
そう それはそれで嫌いじゃない そう言いたい
街の灯りはうつくしく
同じ彩度の夢を見たい
最低野郎なる君に
拝啓、今すぐ会いたい
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