「好き」を女の子から言っちゃだめだって
誰が決めたの?

私は待つなんて嫌。
待つより
自分から言いたいんです。





-人想い3-






「レンくん」
「み、ミク姉」

レンくんの態度は私にだけ本当にたどたどしい。
嫌われてるのではないかと不安になってしまう。

「ね、この曲ジュエットなんだって、一緒に歌おう?」
「え、あ・・・」

久しぶりの新作だから
喜んでもらえると思ったんだけど。
そうでもなかったみたいだ

「・・・・いや、だよね。ごめんね」
「あ、いや、違う!!」
「っ!!」

レンがいきなり大声を出したことでミクは肩をビクつかせて目を見開いた。

「あ、ごめ・・・ん。嫌とかじゃ、ないんだ」

レンはそう言うと顔を反らして申し訳なさそうにしている。

「・・・・・レンくん」
「なんて言うか、あー・・・もう!!」
「えっ!?」

レンはミクの目の前で自分の顔を殴る。
自分でやっといてあれだが相当痛いらしい。
顔を抑えて座り込んだ。

「だだ、大丈夫!?」
「ヘーキヘーキ」

レンは落ち着いたのかミクの顔を見るなり満面の笑みを浮かべる

「あ・・・・」

ああ、いつからだったんだろう
この笑顔を見れなくなっていたのは。
でも今
その笑顔が

「・・・・・っ」
「え!?ミ、ミク姉!?」
「え、あ・・・・なんでも、ないよ」
「なんでもって、じゃあなんで泣いてんの」

レンはそう言うと少したどたどしいがミクの頭をなでた。

「切ない、切ないよレンくん」
「え?」
「リンちゃんに、言うなって言われたけど、私にはできない」

もう抑えられない。
この気持ちを
伝えたくて

伝えたくて

「ミク、姉?」
「私、レンくんの事が」
『まったあああああああああああああ!!』
「痛っ!?」

ミクの言葉をさえぎるようにカイトとリンがレンに向かって飛び蹴りを繰り出した。
レンの体は二人分の威力で宙に浮きそのまま落ちた。

「・・・・ってえな!!何すんだ!!」

頭に怒りマークを浮かべながらレンは二人に怒鳴った。

「ミク姉!」
「え、え」

ミクはリンに引っ張られてその場を離れた。

「・・・・で、何で蹴ったんだよ」
「んー?リンからの話聞いてそれは賛成かーと」
「は?」
「んー。基本は女の子からなんだけど、最近はそうでもないでしょ?」
「は?何が?」
「告白」
「・・・・はい?」

コイツバカ?と本気で思った。

「レンは、自分から好きって言うのと、ミクから好きって言われるの・・・どっちがいい?」
「え」
「まあたとえばの話で」

ありえないという言葉を繰り出す前に言われてしまった。
告白するか、されるか
選べというのなら

「・・・したい」
「ん?」
「されるなんて男としてどうかと思う」
「・・・・・・」

オレの言葉にカイトは満足したように笑った

「当たって砕けろ」
「砕けたくねーけどな」
「これでヘタレン卒業だな」
「うん。一発殴っていいか?」

レンのこれでもかってほどない良い笑顔にカイトは青ざめながら後ろに引いた。
なんせ目が笑って笑ってない

「さっきの仕返し程度に、殴らせろや」
「うっわ!それはないでしょ!!」

砕けるのはいやだけど
もういい。
砕けてもいいんだ。
ただ


この気持ちを知ってもらえるだけでも






-3-end.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

「人想い」3

私の小説って起、承、「転」がないような・・・・

閲覧数:1,319

投稿日:2009/02/23 23:16:32

文字数:1,402文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • 珀月心裡

    珀月心裡

    その他

    いつも感想ありがとうございます!!

    今が「転」ですか・・・そうなんでしょうか?←
    ミクは素直なイメージがあるのでなんでも直球だと思っています^^
    なので想いはいつも自分から言うタイプにしています←

    あ、やっぱりそうですよね、自分からより相手から言ってもらえるほうが嬉しいですよね!
    ミクはそれが待てずに言ってしまいそうになってリンとカイトが来る。という方針ですww
    次に完結するか、またその次回になるかはまだわかりませんが、これからもよろしくお願いします^^

    2009/03/05 17:22:07

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