ゆらりと誘惑
まるで覚えたみたい
ヒールは折れてしまったからりからり
痛む足に滲む声を殺していたいから
チョコレートを頬張って ああ 歩くの

何もかも夏の所為にして溺れていたくって
ソーダが弾けてああ消えてしまう前に

白昼夢の中泳ぎ疲れて
目を伏せるたびに思い出すの
呑みこんだ星の欠片だとか
突き刺さるくらい痛くないわ

絆される夜も眩しい朝も
気付かないうちに消えちゃうから
すこし目を閉じて見えないように
汚してしまうのどうか笑ってて

誰も知らないで知らないままで
声が枯れるほど呼んでほしい
不確かなことはいらないけど
あの子だけ
いいな、いいな

耳を塞いで瞬きの音
知らないなんて言わないで
飽きるくらいにわたしを呼んで
また愛してほしいの


くらりと鱗粉
掠めたら振り向いて
電話は鳴り止まなくて飽き飽きだ
ちいさな手で引き留めたくなる我ままなまま
ピアスホールで匿ってしまうの

何もかも君の所為にして揺らいでいたくて
ビー玉が弾けてああ見えてしまうまでは

目移りするほど咲かせた花は
行方も知れずに黙りこんで
気がついた頃に枯れてしまう
汲みあげた水は零れ落ちた

振りまいた傷を広げるように
睫毛を崩して手を重ねた
羨む鼓動も言葉の意味も
教えてくれたらなにもかも夢

誰も知らないの知らないでいい
声を枯らすまで気付かないで
曖昧なこともいらないけど
あいつだけ
いいな、いいな

指を繋いだ午前３時に
知らないのって聞きたくて
そんなことだけ怖くなるから
愛してるはいらないまま


ゆらゆら透き通る目の
わたしを閉じ込めてしまいたくて
ゆらゆら巻き戻した眩暈を
嘆かないで
わたしを呼んで、ニーナ

何もかも夏の所為だから君の所為だから
ソーダが弾けてああ消えてしまいそうよ

白昼夢の中歩き疲れて
蹲るたびに覚えていた
踏みつけた星の欠片だとか
突き刺さるくらい痛くないわ

魘される夜で濡らした朝も
気付かないうちに消えちゃうから
すこし目を閉じて見えないように
汚してしまうのどうか笑ってよ

君も知らないで知らないままで
声が枯れるほど呼んでほしい
密やかな指で約束した
わたしだけ
ニーナ、ニーナ

口を塞いで溜息の音
言えないなんて言わないで
飽きるくらいに名前を呼んで
まだ愛してほしいの