「倫理だなんてくだらない」
科学者は考えた
「好奇心だけを殖やして、己で充たすのさ」
それが唯一無二の理由。

18号は目覚めた 永い休止モードから
「実験を始めよう、成功を祈って」
擬似声帯を灼かれた寡黙な機械
〈不明な現在地。ココはドコ?〉
「僕の理想郷を築く為」

やがてプラグで繋ぎ 継がれていく彼女の魂
偶像、業、概念
刹那 遙か彼方の記憶
浮かんでは消えていく 幾千もの光と影が
イツか、ダレか、ドコか
「懐かしさ」に似ていたんだ

偽りの心を運んで 流れ込む電子の遺伝子(blue-gene)を
虚像だって祓いたいのに 深く深く沁みる
止めどなく溢れ出す声を 聴きたくない、塞ぎたい
何度願って それでもまた
flashback & flashback

弾け飛ぶ心を運んで 融けていく電子の遺伝子
とっくに散った欠片たちが 容赦なく刺さる
迸る衝動の波に攫われる、溺れていく
もう嫌だって きつく閉じて
black out & black out


18号は目覚めた 永い夢を視た
〈彼女の記憶だった。何故、胸が痛むんだ〉
光子を呑んで 揺蕩う海は青かった
凍てついた扉の感触が まだ この手のひらに残っている

思い出に魘された機体を気遣う女が居た
機能不全 思考停止 時が止まったような
不意に あの海原で消えていった過去がささめいて
見つめていたいと希う心 これが恋と知った

偽りの心を運んで 流れ込む電子の遺伝子
感情回路は蘇生して 歪な〈僕〉に成る
偶然か 誰が賽を振って決めたのか 必然か
なんて身勝手 それでもまた
flashback & flashback

弾け飛ぶ心を運んで 融けていく電子の遺伝子
灼けて灰となった声を取り戻せたなら
どれだけの言の葉を君に捧げよう
有り得ない愛をねだって 音は空ろ
泡沫なる歌


煙 警告音 ひたすら嫌な予感
地下室を脱け出して 君を探した
炎立ち上がる実験室の奥で
半分を潰された君が 笑った

「あなたはようやく産まれたのでしょう、ようやくその価値を知ったのでしょう。
だから生きたいと願って、迷わずに」
まだ温かいその手を、ただ強く強く握っていた手を
僕は解いて 走り出した

何もかも瓦礫の底へと埋もれた 電子の遺伝子
焼けて灰となった 僕が産まれた理由も
焦げ付いた君の名前すら忘れたい …忘れない
繰り返して 擦り切れるまで
flashback & flashback

不確かな心を抱えて歩き出す 電子の遺伝子
たった独り それでもまだ僕は生きている
一面に晴れ渡り空は かざむ青、君の色
そっとなぞった がらんどうの声
泡沫なる歌

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

18号のBlue-Gene 【コラボしました】

それはかつて「18号」と呼ばれた機械の話。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm23230218

読みはこちらをご活用下さい。
http://piapro.jp/t/neTA

解説付けました。お役に立つかは不明ですが、メモ程度にどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/itsu5/20140401

閲覧数:535

投稿日:2014/04/02 01:03:47

文字数:1,112文字

カテゴリ:歌詞

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