朝、冷めたコーヒーを飲み干してからノートパソコンを開く。
画面に映るのは昨夜からずっと動かないアナリティクスの数字だ。
フリーランスでSNS運用代行やマーケティング支援を生業にしてからというもの
私の日常は常にこの数字の海と共にあった。
「数値を伸ばすこと」はもちろん仕事の基本だ。クライアント企業の売上拡大や認知向上
そしてブランドの確立に貢献すること。それがプロとしての使命だと自分に言い聞かせてきた。
けれど深夜の静まり返った部屋で一人、画面のグラフを見つめていると時々無性に虚しさを覚えることがある。
私たちが追いかけているのは、本当にただの数字の羅列なのだろうか、と。
これまでのキャリアで培ってきた知識や、実務で叩き上げたスキルは確かに私の武器だ。
でもどれだけロジカルに戦略を組み立て、効率的に運用を回したところで
その向こう側にある「生身の人間」の温度感を忘れてしまえば、結局のところ何も心には残らないのではないか。
ふと窓の外を見ると、街の明かりがぽつりぽつりと灯り始めている。
あの光の数だけ暮らしがあり、悩みがあり、誰かの物語がある。
明日もまた、数字と格闘する一日が始まるだろう。
それでも、画面の向こうにいる「誰か」の心にほんの少しでも温もりや新しい気づきを届けられたらいい。
格好のつかない葛藤を抱えながら私は今日も、キーボードを叩き続ける。
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