A1
濃紺にゆれる地下鉄の窓に呟く
街の目をくぐり抜けて
仮面を外した　心を煽ぐ

ダルレッドの唇　鞄の底に沈むアウトロー
トートロジーを絡めてデザートにしよう

B1
ジャカジャカした胸の中の
潤せない今日もまた
ミラー越しの瞳がほら焼き付いていく

お揃いのアイシャドウとか
気付くはずもないわ
甘美な秘密なんて

S1
戻れない夜を知った　駆け引きの距離をずっと
睨み合って　あなたに今駆られてゆく
遠く光るスパンコールも
夜空の包み紙なだけね

歪んだ月の顔が　でこぼこに笑うような
臆病なあどけなさ　噛み付いて口接けて
明日からはまたひとり同士
心を誰で繋げていく


A2
焦燥に揺れる子猫の形の秒針
秋の音（ね）を通り抜けて
時間差で同じところを歩く

少しだけ眠くなる　続きの読める映画
このまま誰ひとり報われず
終わりなんでしょう

C1
（Ah）とびきりの恋をしてる
あなたのことが好きだけれど
わたしの視線がイチバンだって
もう知ってるその唇

S2　
躍り出す夜はきっと　つまらないエゴをそっと
手繰り寄せて　あなたに今遂げられていく
ふわり揺れるビスクドールの
微笑みとらわれたくなるわ

戻れない夜を知った　駆け引きの距離はずっと
埋まらないやるせなさ　近付いて離れていく
明日からはまたひとり同士
心に誰を閉じ込めるの
無常の星空の下で