「このsinθはcosθに変えて、余弦定理でここを・・・」

3時限目は、数学。眠くなる教科だ。教科書を無造作に開き、窓の外を見る。

つい一昨日、雪が降った。それほどの量ではなかったため、もう融けてしまった。

ただ、あの雪融け水が流れる、なんともいえない騒々しいような音だけが虚しく響く。

すぐ下を通る道路の表面は黒く濡れていて、あの冬独特の射すような陽をチカチカと眩しく反射させている。

その向こう側に1本のそれなりに大きな幹をした桜の木がある。

ついこの間までは盛るように桃色とも白色ともつかぬ色を山のように得ていた枝も、

今は見るも悲しいくらいに、細く、寂しい。もう冬なのだな、と一人合点した。

と同時に、何もすることなく、ただいたずらに時間が過ぎていったことに軽い後悔をもしている。


「んじゃあ、この問3を・・・今日は11日だから、11番!」

・・・あ、俺か。

俺は問題に目を通す。先生や周りのやつらの視線が刺さる。

はぁ、と溜息をつき、言う。

「すいません、聞いてませんでした」

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たまにしがちなこと。

そのまんまです。

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投稿日:2009/11/20 01:18:27

文字数:458文字

カテゴリ:小説

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