僕らは宿を出た後、裏路地に身を潜めていた。
「レン・・・どうして・・・あんな事したの・・?」
リンの脳裏にはきっと、さっきの惨劇がこびりついているんだ。
「ああするしかないんだ。わかるだろう?」
「わからないよ!!!」
リンは僕を突き飛ばした。
「レン・・・おかしいよ。レンは言ってたじゃない!!決して人を殺めることは許さないって・・・。」
リンは両手で顔を覆うように隠す。
「リン・・・。」
僕は今初めて、罪悪感を感じた。
殺すときは、何も感じなかったというのに。
「大丈夫って何よ!全然だいじょばないよ・・・・。」
リンは立ち上がる。
「私・・・。自首する。」
「!?やめろ!」
僕はリンを引き留めようとする。
「それは・・・私のため?それとも・・・自分のため?」
リンの目は、恐ろしいほどに冷たかった。
僕を軽蔑する目・・・。
「リ・・・ン・・・。」
僕は、つかんでいたリンの腕を、離した。
離れた・・・というほうがあっている。
「じゃあね、レン。」
僕はただそこに、立ち尽くす事しかできない。
リンは恐らく、僕の事も警察に言うだろう。
だとすれば・・・ここには居られないのでは・・・。
そう考えているうちに、ふと思った。
(僕・・・自分の事しか考えてないな・・・。)
最低だ。
リンが呆れて当然だ・・・。
3日後。
僕は動かずに、裏路地にいた。
手には、ナイフを構えてある。
もうじき、ここに来るだろう。僕はそいつらと戦ってやる。
だけど。
一瞬、思考が停止した。
(な・・・・に・・・・?)
頭が重い。
なのに体はふわふわと浮かぶように軽い。
視界は、白かった。
靄がかかったような・・・。
「見つけたぞ。レン・・・。」
(ああ・・・麻痺ガスか・・・。)
なすすべもなく、僕は倒れこんだ。
「お前の妹リンが自首した。残念だったな・・・。」
薄れていく意識。それでも聞こえた。
「お前らは、人間失格だ。」
人間失格・・・か・・・。
僕は何故か、笑っていた。
こんな醜い生き物は、うんざりだ。
ようやく人間じゃなくなるのか・・・・。
僕の意識は、遠くに飛ばされたように、なくなった。
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