王女は6歳から、女王となるために学問をはじめられた。

「あ~、勉強って難しいわ!」

不満げな王女。教育係はなだめる。

「王女様はいずれ女王となられる方。お勉強は怠ってはなりませんよ。国王陛下もなされたことですし、王妃様も、王家に嫁ぐ前には勉強をなされたのですよ。」
「…は~い。がんばります。」
「さ、おやつの時間です。休憩にしましょう。」
「わーい!レン、今日のおやつはなあに?」

レン――王子となるべきだった召使。王女よりも早く、4歳のときから王女の召使として訓練を受けた。

「今日はブリオッシュですよ。王女様。」
「わーい!これ!早く!レンの分も忘れずにね。」

王女は召使をまるで本当の姉弟のように扱い、おやつもレンの分も出させるほどだった。

「いただきます!」
「いただきます。」

宮廷に同世代の者がいないのか、レンと過ごすことがほとんどだった。
遊ぶのももちろん一緒。食事の時は後で食べさせるとはいえ、絶対にそばにおいていたし、勉強の時も、板書を取ることは許されなかったものの、そばで座って聞くことは許していたぐらいなのだ。

「ねぇ?どうして、私とレンは顔がよく似てるの?」
「それは、神様がしたのでしょう。」

お互いはお互いが血のつながった双子であることを知らない。
この事実を知るのは国王と王妃、両方が亡くなる時だった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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王子と召使、楽しかった幼い日々

そのまんま、幼いころのエピソードです。出来るだけ、mothyさんの初期設定に合うようにしてるつもりですが…。つじつま合わないと困りますし。

閲覧数:993

投稿日:2008/08/11 00:22:11

文字数:577文字

カテゴリ:その他

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