一人きりで退屈だし
内緒で探検　屋敷の中を
見つけたのは　隠し部屋と不思議な鏡

鏡の中　あの子は誰？
私とそっくり　にっこり笑う
楽しくって　時を忘れ　お喋りしたの

優しくって物知りな　鏡に住む不思議なあの子
兄様にも姉様にも内緒のお友達


楽しそうで憧れたの
あの子が語った　鏡の世界
ほんのちょっと行ってみたい　そう思ったの

危ないからダメだよって
あの子は止めるの　でもちょっとだけ
好奇心に負けちゃったの　鏡の中へ

そこは何もなかったの　どうしてって尋ねたけど
鏡の外　あの子はただ　妖しく笑うだけ

鏡の中　囚われて　絡みついた鎖、首に
「出して！　出して！」叫んだって
お父様にもお母様にも　この声届かない



（よみがな）

ひとりきりで　たいくつだし
ないしょで　たんけん　やしきのなかを
みつけたのは　かくしべやと　ふしぎなかがみ

かがみのなか　あのこはだれ
わたしと　そっくり　にっこりわらう
たのしくって　ときをわすれ　おしゃべりしたの

やさしくって　ものしりな　かがみにすむ　ふしぎななあのこ
にいさまにも　ねえさまにも　ないしょの　おともだち

たのしそうで　あこれたの
あのこが　かたった　かがみのせかい
ほんのちょっと　いってみたい　そうおもったの

あぶないから　だめだよって
あのこは　とめるの　でもちょっとだけ
こうきしんに　まけちゃったの　かがみのなかへ

そこはなにも　なかったの　どうしてって　たずねたけど
かがみのそと　あのこはただ　あやしく　わらうだけ

かがみのなか　とらわれて　からみついた　くさりくびに
だしてだして　さけんだって
おとうさまにも　おかあさまにも　このこえ　とどかない