熱に侵された
僕はタイムトラベラー

ぬるくなったタオル
投げっぱなしのカバン
いつまでこうしていればいいんだろう
暗い部屋ん中　ぐるぐるとめぐる
いつかこうして死んでいく日のこと

みんな普通に生活してる
人間一人欠けたところで
代わりがきくのは知っていたけど
代わりがきかないとも思いたくて


外の世界と絶たれた
万年床タイムトラベラー
一方通行　ウラシマ効果
未来にしかいけない

病床タイムトリップ
ひとりぼっち
上がった体温が
僕を引き留める

病床タイムトリップ
明ける空に　煙った虚しさが
僕をあざけり笑うんだ
僕を置き去りにしていく

「寝ているだけもつらいんだよ」
なんて下手に言えない世の中なんだ
「もっとつらい人もいるんだから」
そんなこと　わかってるよ

ぬるくなったタオル
投げっぱなしのカバン
替えのシャツはなくなったっけか
無慈悲に引き出される今月の家賃
生きてるだけで摩耗していく

病床タイムトリップ
気づけば過ぎ去った時間を
惜しむ僕がいて

病床タイムトリップ
夢の狭間
星に願いを
どうか　日々に戻らせて
僕の時間を返して

窓を開けたら生ぬるい風
どうやら季節も移り変わって
たった一人のタイムトラベルも
もう少しで　終わるだろう

世界はどう変わりましたか？
案外何も変わってませんか？
話したいことが沢山あるんだ
タイムトリップ　未来で待っていて