人が居なくなった部屋を片付けている
きっと誰かのために片付けている
見たくないものが散らかる景色
見たいものは映らない景色

だっけ


いつか、失くなったこころを片付けている
フラッシュバック 感受性に溶けたらぱっと眩んだ

きっと、授かった名前もわすれている

きっと。授かった名前をわすれている

きっと。幸せだった世界を覚えている

きっと。理想のせかいはみえなくなる

なった。

鳴った。

この心臓には海岸線の如く透き通ったペンを
突き刺したら自分を食べる餌になってしまうよ

この、心臓には等間隔の笑顔達が並んだ
この、心情でさ、悲しむ前に死ななくちゃ、


悲しむ前に消さなくちゃ、


悲しむ前に、消さなくちゃ、


かなしむ前に、けさなくちゃ、

かなしむまえにけさなくちゃ

消えた

消える

消した

消える




人がいなくなった部屋を片付けていた
きっとひとのために片付けている
生きるために、失わないように、
人がいなくなった感触を覚えている

人がいなくなった時間を覚えている
言葉を遺すために筆を握っている
失わないように、失わないようにと
遺言に入れた言葉は美しいほどに息をしていた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

収束前夜

収束前夜

閲覧数:159

投稿日:2018/05/28 07:18:45

文字数:514文字

カテゴリ:歌詞

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